■宮崎の有形登録文化財を探れ!


 国鉄吉都線飯野駅から北へ延びていた飯野森林鉄道。地図を眺めるとその痕跡を明確に辿る事が出来る。
 えびの飯野駅近くの貯木場跡と思われる広場から製材工場の裏をかすめて、県道407号に吸収されて、分岐し、製材所の合間を抜けて、トロッコの車軸が保存されている八幡ヶ丘公園下の山裾を縫って、国道221号を斜めに横切り、水路に沿ってクネクネ行くと、ほぼ廃線跡を踏襲して「めがね橋」に辿り着ける。ヤフーの地図で距離を算出したところ約3.8kmの道程だった。
 そしてこの「めがね橋」こそが飯野森林鉄道跡の最大のポイントである。橋の袂の石には「熊本営林局」「飯野林道」などと刻まれている。近くには案内板も設置されていて、それによれば…、

 この橋は、川内川最上流の大平官行から吉都線飯野駅までの約三十キロのトロッコ軌道の一部として、熊本営林局により木材搬出用に造られたものである。石造三連アーチをもち、正式には「月の木川橋」といい、昭和三年(1928)に完成した。木材でやぐらを組み、それに基づいて五十センチ角の石を積み重ね、アーチの一番真中に要石として五角の石が組み込まれている。
 鹿児島県串木野の肥田佐兵衛氏が請負、切り石は、この有島川の上流から木馬で運び出されたと言われる。軌道は、昭和三十七年(一九六二)に廃止され自動車が通るようになったが、安全上の理由で通行止めとなり、現在、人だけ通る道となっている。

えびの市教育委員会


 橋は平成10年に国の有形登録文化財に指定され、現在えびの市が管理している。

《データ》
■めがね橋(飯野森林鉄道跡) [廃線跡]

◇宮崎県えびの市大河平◇えびの飯野 歩60分
 

[探索日:2013.03.02]



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