■中津の民宿レストランを探れ!

 かつて国鉄日豊本線中津駅から名勝「耶馬溪」に延びていた耶馬溪鉄道(通称「耶鉄」)の車輛を保存、利用している事で知られるレストラン・民宿「汽車ポッポ」(汽車ポッポ食堂とも呼ばれている)には1台の軽便蒸気が保存展示されている。場所が国道212号線に面した良く人目に付く場所なので、鉄道マニアだけでなく一般の人達にも有名なスポットになっている。保存車輛は当初、耶鉄の車輛であったが最後に台湾から来た蒸気機関車が加わった。わざわざ台湾から蒸気機関車を購入したのは「客車だけでは雰囲気が出ないから」と何とも素晴らしく単純な理由からだったと言う。
 一緒に保存されている耶鉄の車輛は、まず耶鉄が部分廃止となった昭和46年(1971年)に購入。その後、全廃となった昭和50年(1975年)に追加された。最後に蒸気機関車が加わったのは昭和59年(1984年)とのこと。探索時で既に30年近く経っているが年数を感じさせないくらい綺麗に手入れされていた。(写真写りも模型のようです!)機関車は野辺山のSLランド、山形県河北町のいもこ列車と同系のもの。他の2機は動態で保存されているがここは静態。それでも購入時の状態は悪くなかったはずで、恐らく外見だけでなく中身の状態も悪くないのではと推測される。
 最寄りの中津駅からバスになるが、今回は中津駅構内の観光案内所でレンタサイクルを借りて来た。耶鉄の廃線跡の一部はサイクリングロードとして整備されているようなので、時間があれば足を延してみたいものである。
 ベルギー製の軽便機関車も日本製と比べてもあまり違和感を感じさせない形状である。野辺山、河北町と同じように動態であればもっと楽しいのに…、そんなことを思いながら中津駅へ向けてペダルを漕ぎ出したのであった。


《データ》
■民宿レストラン汽車ポッポ [保存]

◇大分県中津市大字万田500-1◇中津 バス(新万田)→歩すぐ
 
《車輛データ》
◇01:台湾製糖公司 358号 SL(アングロ・フランコ・ベルジ 1948年 2347番/C型 762mm)

参考:RF485・RF555・全国保存鉄道U・全国軽便鉄道・日本の蒸気機関車

[探索日:2013.12.01]




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