■天草の陶石鉱山跡を探れ!

 熊本県天草地域は良質の陶石が採れる地域である。この地域の陶石鉱山においてトロッコが使われた例は多くあるが、この鉱山の坑口付近にも使われなくなった軌道が残っていた。
 国道389号に面して同鉱山の下部坑口があり、書籍などでも紹介された現役人力トロッコが残っているが、その坑口横の細い道を入り一段上がった部分にもう一つの坑口があって坑口から軌道が延びているのであった。しかし軌道は大部分が草に埋もれたり撤去されていたりで廃線なのは一目瞭然だった。
 軌道が残っているのは30メートルくらいだろうか。軌間は下部と同じ508mmで事務所跡らしき建物にはトロッコの上部のみが押し込まれていて使われなくなって暫く経っている印象だ。
 レールが残っている部分以外はどの様になっていたのか分からないが建物や地形などから推測すると、坑口を出た軌道はカーブしながら延びて段差になった所で鉱石を下へ落としていたように思えた。ホッパーらしき施設はないがトラックを停めればいい感じの段差になっている。
 天草地域の陶石鉱山は数は減ってしまったものの、山の中には鉱山跡がまだまだ残っているようである。丹念に探せば軌道跡くらいはまだ見つかるかも知れませんね。


《データ》
■上田陶石 小田床鉱山上部軌道 [廃線]

◇熊本県天草市下田南
◇残存区間:坑口付近◇残存距離:0.03km◇軌間:508mm◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 
参考:RM128p74-75(1993.10.30)
   BE-PAL2001.03号

[探索日:2009.11.30]




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