■天草の陶石小鉱山を探れ!

 苓北町と天草町の境界から下田温泉にかけて、天草半島の西海岸沿いを走る国道386号線から山側の脇道に一歩入ると、途端に細くなり急勾配になる。下浜平のバス停近くからジグザグに登る山道は小型の普通自動車でも切り返しをしながら進むような道だった。本当にこの先に鉱山があるのだろうか?不安になる。ポツリポツリと点在する民家をかすめながら、登りきると少し平らになって僅かながら平地になっている。地面を良く見ると細いレールが延びていた。平地の片隅に車を停めて草と落ち葉に見え隠れするレールを辿ると坑口が現れた。ここが上田陶石浜平鉱山である。
 切通しのようなコンクリート製の壁がそのまま坑口まで続く。軌道は坑口から30メートルくらいの地点で途切れているが、その延長線には事務所らしき建物が建っている。その建物の前は少し段差になっているので鉱石の積替え施設があったのかも知れない。更にその先は眼下に海が見えた。事務所らしき建物には安全第一の旗がぶらさがり鉱山標識が掲示されていて原付バイクが停まっていたが人気はなかった。
 坑口は柵で閉ざされ立ち入ることはできない。中を覗いて見ても暗闇が続き奥行きは確認できないが、数メートル先でコンクリートから素掘りの壁面に変わっているのは分かる。
 軌道自体は既に使われていない印象を受ける。確認できる範囲でも車輌は見当たらない。廃線と判断して良さそうだ。軌間は実測値で510mm。同じ会社の小田床鉱山も508mmで人力なので、ここも人力だった可能性が高そうだ。天草にはこの様な小鉱山がいくつかある様だ。まだまだ山中にひっそりと軌道が残っているのかも知れない。

《データ》
■上田陶石浜平鉱山 [廃線]

◇所在地:熊本県天草市天草町下田北800付近(816?)◇交通:バス(下浜平)→歩10
◇残存区間:鉱山付近◇残存距離:坑外約0.03km◇軌間:510mm(実測)◇動力:人力(推定)◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 
◇参考:BE-PAL2001.03号

[調査日:2009.11.29]



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