■玉名の元米蔵を探れ!

 玉名市高瀬の魚屋町の高瀬蔵は玉名市が街の活性化を目的に建てられた施設であるが、元々は地元の商家である猿渡家が所有していた米蔵であった。後に米蔵から肥料を保管する蔵と使われていたが、明治期に建てられ使用されなくなった母屋と2つの蔵は猿渡家から玉名市へ寄贈され、2005年に飲食施設と多目的ホールを備えた施設へ建て替わった。
 高瀬蔵として生まれ変わった施設には通りに面した入口から奥に向かってトロッコ軌道が延びている。これは猿渡家時代に使われていた軌道を改修にあたって一旦撤去し、再度敷設した軌道らしい。なので軌道の途中は車輛が通れないような線路配置になっていたりする。建物も綺麗になっているので作り込んだ感が強すぎるのも事実だ。
 しかし、軌道上にある木製の台車は全く手直しした感じがなく、そのまんまの状態だ。下手に綺麗にしてしまうより好感が持てた。台車には米蔵だった事を印象付けるよう米俵がディスプレイされているのも悪くない。
 軌道は目測で30メートルくらいだろうか。軌間は実測で490mm。元は508mmだったのかも知れない。台車が軌道上を行き来できないのは残念だが台車や軌道が残されただけでも称賛すべき事であろうか。
 
《データ》
■高瀬蔵 [廃線・保存]

◇熊本県玉名市高瀬字魚屋町155-2◇玉名 バス(下町)→歩5◇河川敷無料P
◇残存区間:施設内◇残存距離:約0.03km◇軌間:490mm◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明◇再敷設日:2005.04
◇猿渡家→玉名市(2000)→高瀬蔵(2005.04)
 

《車輛データ》
◇01:猿渡家 FC(木製2軸平台車/490mm)

参考:WEB軽探団 「軽探団 肥後を探る」(2013.03.03)
   RM297p125(2007.08.09)
   jt058p161

[探索日:2013.03.03]




inserted by FC2 system