■天草の資材置場を探れ!


 ビーパルの2001年3月号はトロッコマニア必読の書であると思っている。この手の雑誌は毎月チェックしているわけでもないので、この記事を見つけたのは幸運であったと思うが、それを思えば今までに見逃してきた記事はたくさんあるのであろう。さて、前置きはこれくらいにして、天草地方のトロッコ巡りはこのビーパルとRM誌の記事を元に進めたが、既に軌道が撤去されてしまったところが多く、いくらかテンションは下がり気味であった。で、上田陶石小田床鉱山の後にここを探してみた。
 ここの軌道はビーパルに少し載っていただけで、RM誌では紹介されておらず、記事の紹介文の中でも、「ここはちょっとわかりずらい」と書いてあり、あまり期待はしていなかったが、簡単な地図と「石材加工工場近く」のコメントと廃軌道の写真を手がかりに行ってみた。
 下田温泉から下田南に向けて国道489号を走り、小田床トンネル手前の急な右カーブの所の右手にある細い道を入る。道の右下には沢が流れていて、坂を下るとこの小さな沢を渡る。渡った所に石材加工工場があった。軌道はこのあたりのハズだ。周囲に目を凝らしながら、ゆっくり工場前を過ぎたが軌道は見つからない。少し道が広くなったところでUターンして石材加工工場まで戻った。沢の近くに車を停めるくらいのスペースがあったので、そこに車を停めて降りて探してみた。すると沢の横に資材置場の資材を撤去したようなスペース(そりゃ資材置場とは言わん!)があって実に怪しい雰囲気を醸し出している。トロッコ屋の嗅覚がそちらに足を向けさせた。その奥の草むらの中に足跡程度の細い道が続く。するとコンクリートの地面になり錆びたレールが見えたのだった。レールは更に奥に延びていて、沢の流れの中に沈んでいる。水辺まで近付くと大きな蟹が慌てて逃げて行った。沢は国道の下の方から流れて来ているようだ。装備が不十分なので沢を伝って進むことが出来ないが、どうやら奥には坑口(恐らく国道の下あたり)があって、そこから水が流れ出ているような感じだった。坑口からここまで推定で約40メートル、コンクリート上に残っていた軌道の軌間は508mmであった。写真は沢から資材置場の方を撮影したものである。
 ここを訪れるなら是非、住宅地図を確認することをお奨めする。Lという石材加工会社(データに記載の所在地)が目印である。その前を流れる沢の上流を探って下さい。私は入口のレールを確認しただけで引き返しましたが、坑口を目指すなら長靴または沢歩きの装備が必要です。沢の奥がどうなっているのか全く不明ですので安全性は保障できません。十分に注意して行動して下さい。

《データ》
■天草の陶石鉱山跡 [廃線]

◇熊本県天草市天草町下田南4004◇熊本 バス(鬼海ヶ浦)→歩5
 
◇残存距離:坑外部約0.04km(推定)◇軌間:508mm◇敷設日:不明◇廃止日:不明
◇参考:BE-PAL2001.03号


[探索日:2009.11.30]



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