■長崎県沖高島の石炭資料館を探れ!

 かつて採炭の島として栄えた長崎市沖の高島は軍艦島の陰に隠れて一般にはあまり知られていないが、逆にトロッコマニアには良く知られた存在だ。我が永遠のバイブル「知られざるナローたち」で活躍していた2台の加藤を見て高島を目指したマニアは多いはずだ。そこで紹介されている超ヨレヨレの加藤DLに悲壮感はなく、むしろトロッコ魂に火を付けた感さえあった。しかし、そんな高島炭鉱も1986年に惜しくも閉山。あの加藤たちは一体…。
 その後、島内の資料館に保存されたとの情報を得た。そして2004年の夏、ようやく島に渡る機会を得た。閉山から既に18年。今の状況に期待は出来なかったが、それでも高島行きの船乗り場で船を待つ間は胸が高鳴る思いであった。
 船に乗り込み、高島の島影が近づいて来る。果たして加藤はどんな姿を晒すのか?島内の地図は全く確認せずに来たので何処に何があるのか知らずに下船したが、歩き出すとすぐ近くに目指す「高島石炭資料館」はあった。そして資料館前に広場に目をやると機械の中に鉱山車両がある。その中に加藤があった。「知られざる…」で紹介されていた5t機であった。しかし当時状態がかなり悪いとレポートされていた6t機の姿はない。他には日本輸送機のBLやパンタの乗ったELなど全部で12両の車輛が確認できた。小さな島は潮風の影響を強く受けるせいか、車輛達は全て錆止めと思われる銀色の塗料で塗られていて、鉱山用車両のイメージが希薄であった。
 資料館の車輛を一通り確認した後、炭鉱の跡を探るため、付近をウロウロしてみたが鉱山施設は既に解体されて跡形もなかった。辛うじて斜坑跡?取り払われたボタ山(そりゃボタ山とへ言えん!)の跡などが確認できたが閉山から18年の年月は長すぎたようだった。
 訪問から既に10年以上経過している。当時、高島町管理の施設だった資料館は長崎市に移管された。この保存車輛も一体どうなっているのか?最近のホームページに車輛の記載がなくなっているの気になるところだ。


《データ》
■高島石炭資料館 [保存] HP

◇長崎県長崎市(旧西彼杵郡)高島町2706-8◇高島港 歩すぐ◇9:00-17:00・年末年始◇見学無料

 
参考資料:知られざるナローたちp86-88(1969.04・1980.03)
参考HP:長崎県ミュージアム情報

[探索日:2004.07.08]




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