■西唐津の鐵工所を探れ!

 JR唐津線の終点西唐津駅近くに老舗の機械メーカー「唐津鐵工所唐津工場」がある。西唐津駅の改札口を出てすぐ横の跨線橋を渡り、北の方へ歩くこと5分、煉瓦の建物が現れる。唐津鐵工所の自家発電所だった建物だ。そしてその横の駐車場の中には短いながら軌道が残っている。
 工場は一般公開はしておらず、軌道を間近に見る事ができる唯一のポイントだ。軌間を計測すると762mmであった。距離は数メートル。
 しかし工場内には立入る事が出来ないながらも軌道跡を十分に確認できるポイントがある。それはすぐ隣に立つホームセンターの屋上駐車場だ。写真はそのポイントから撮影したもの。直線の長さは約50メートルある。一番奥の白い部分はターンテーブルの跡である。他にも軌道は確認できて合計すると数百メートルになりそうな大規模軌道跡だ。
 敷地の一番南側にある発電所跡から北の方向へ1本の軌道跡が残る。確認出来るのは約100メートル。これがメインの軌道でその軌道からターンテーブルで90度方向転換して工場内などへ入り込む支線が10線以上ある。支線は全てターンテーブルで、通常の分岐は確認できない。車輛の類は見える範囲では確認できないが建物内は全く視認できないので何か残っている可能性はある。
 ターンテーブルを多用する軌道は動力車を使いづらいが、この工場では重量物を製造しているので人力ではないように思われる。車輛については全く解明できないが唐津鐵工所のホームページ内の会社概要(下記HPをクリック)には軌道跡の写る写真もあって、その中に昔の工場全景を描いた絵の写真が含まれる。その絵には工場から西唐津駅方向へ延びる製品を搬出する軌道上に機関車らしきものに牽かれる貨車が描かれている。軌道は1067mmなのか762mmなのか分からないが何となく小振りに描かれているので762mmの軌道ではないか?と思える。軌道が出入りしていた部分は今でも塀の形状が同じで軌道があった場所の特定は容易にできる。
 軌道の様子はヤフーマップやグーグルマップ、また若干ではあるが塀越しにも軌道を垣間見る事もできる。グーグルマップとヤフーマップの航空写真を比較すると、工場の南部分は新しい工場が建てられて軌道跡が埋められてしまったのがわかる。工場内には入れないものの探りを入れるには非常に楽しい施設であった。

《データ》
■唐津鐵工所唐津工場 [廃線] HP

◇佐賀県唐津市二夕子3-12-41◇西唐津 歩5
◇残存区間:工場内◇残存距離:不明◇軌間:762mm◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

[探索日:2015.09.17]




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