■大牟田の世界遺産候補を探れ


 トロッコ系書籍等でよく紹介される三井三池の鉱山トロッコは、ほとんどが三川坑であるが、現在、施設は撤去されてしまい、かつての面影は消えつつある。比較的最近まで操業していた四ツ山坑も同様にほぼ更地状態である。今でも操業当時を偲ぶことが出来るのは、以前に紹介した万田坑(熊本県荒尾市)と公園として整備されている宮浦坑跡(大牟田市)、そしてここ宮原坑くらいだ。竪坑や煉瓦建造物など含む一角は三井から大牟田市に移管され、大牟田市教育委員会の文化スポーツ課が管理している。
 歴史は古く、1898年(明治31年)に開坑され、1931年(昭和6年)には揚炭は終了しており、その後は排水管理としての役割が主であったようだ。シンボル的な存在の竪坑は1901年(明治34年)に竣工したものである。施設跡地の文化的価値は高く評価され、既に国指定重要文化財や国指定史跡に登録されているが、更に最近では世界遺産登録を目指し様々な活動が行われているようだ。
 操業時の軌道は馬力で軌間475mmの記録が残っているが、現在残っている軌道は610mmだ。このあたりの違いの経緯は不明である。尚、施設内には何両かの鉱車と台車が残されたままになっている。

《データ》
■三井三池 宮原坑跡 [廃線・保存]

◇福岡県大牟田市宮原町1-81-3◇大牟田 バス5(早鐘眼鏡橋)→歩10◇第3土曜日の10:00‐12:00公開◇無料◇大牟田市教育委員会文化スポーツ課管理
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[探索日:2009.12.03]



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