■大牟田の大規模炭鉱跡を探れ!

 福岡県大牟田市と熊本県荒尾市に広がる三井三池炭鉱群でも最後まで残った三川坑跡が一般公開された事は嬉しいニュースだった。
三川坑までは最寄駅の大牟田駅からバス便があるが便数が少なく、天気が良ければ西鉄大牟田駅かJR大牟田駅前の観光案内所にあるレンタサイクルが便利である。
 大牟田市の指定文化財でもある迎賓館の三井港倶楽部を回り込むと三井石炭鉱業株式会社三池鉱業所のプレートが付いた門柱がある。普段は閉鎖しているこの門が開放日になると開く。入って少し進むと右手に事務所のような建物があり、そこには無料でガイドをしてくれるボランティアさんがいて、施設内を案内しながら説明をしてくれる。前日に万田坑、宮原坑と巡って一通り説明を聞いていたので三池に関する基本的な事は大体分かっていたが、説明を聞きながら鉱業所内を回り、その後、もう一度撮影の為に構内を歩いた。
 坑口が塞がれてレールも一部撤去されているがメインの斜坑から緩い傾斜を保ちながら2本の本線が延びる。ここがかつて第二斜坑だったところで、北側に平行して第一斜坑があったそうだが、そちらは既に撤去されて跡形もない。構内のレールは殆どが撤去されてしまったが、所々残るレールからある程度は坑内配線が想像できた。また鉱車、人車、作業車なども残されているが修繕は全くされておらず状態は悪い。数えながら回ると25台の車輛が確認できた。
 三川坑は昭和15年(1940年)に開坑され1997年に閉山。明治期に開発された万田坑、宮原坑などと違い、新しいため文化財として価値は低いとされ近代化産業遺産など登録にはなっていないが、我々トロッコマニアには貴重な遺産である。ただ残念なのは車輛の状態が悪いこと。一部の車輛だけでも整備して展示して欲しいと思うのは無理は願いだろうか。
 
《データ》
■三井三池三川坑跡 [廃線・保存]

◇福岡県大牟田市西港町2-6◇大牟田 バス(三川町一丁目)→歩5
◇9:30〜17:00・9:30〜16:30(1-3月)・土曜日,日曜日のみ公開◇無料◇P
◇残存区間:施設内◇残存距離:不明◇軌間:610mm◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

《残存車輛データ》
◇01:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸人車 610mm)
◇02:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸人車 610mm)
◇03:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸人車 610mm)
◇04:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸人車 610mm)
◇05:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸人車 610mm)
◇06:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸人車 610mm)
◇07:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸救急人車 610mm)
◇08:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸制御人車 610mm)
◇09:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸制御人車 610mm)
◇10:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸制御人車 610mm)
◇11:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇12:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇13:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇14:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇15:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇16:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇17:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇18:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇19:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸作業台車 610mm)
◇20:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸鉱車 610mm)
◇21:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸鉱車 610mm)
◇22:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸鉱車 610mm)
◇23:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸鉱車 610mm)
◇24:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸鉱車尾灯装着 610mm) 下回りなし
◇25:三井三池鉱業所 FC(鋼製2軸 610mm)用途不明
※2018.09.15訪問時に確認出来た車輛です。

参考文献:トワイライトゾ〜ンマニュアルC(現役時代)

[探索日:2018.09.15]




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