■旧小倉市道原の勾配軌道を探れ!


 旧小倉市で最初の浄水施設「道原(どうばる)浄水場」の横、道路の路肩が広くなったあたりに車を停め、上流側のダムの方へ少し歩くと…、浄水場とは反対側の斜面に何やらレールのようなものが僅かに見える。上部は木々に覆われて見えるのは最下部のほんの一部だけだ。
 レールの末端に接近して軌道上部を覗き込むと…、レールはまっすぐ上部に延びているが途中で斜度が変わっていて上部の末端が見えない。レールはL型のアングル材で、ハシゴか階段状になっていてレールを伝って登れるようになっている。一応、周囲を確認するが特に立入りは禁止されていない様子。これは登って行くしかないな…。
 登り始めは急で少し登るとやや緩くなった。上部右手に小屋があるが人の気配なし。そして小屋の少し上が軌道の末端で、脱線した状態の台車があった。台車の上にはウインチがあってワイヤーで繋がれている。これはインクライン、ケーブルカーの類か。
 斜面の下部は雑木林だが上部は竹林。そして椎茸栽培で使用するようなホダ木のような木材が点在していた。台車の横はプラットホームの様になっていて木くずが散乱。何か積み込みか積み下ろしなどの作業をする場所のようだが、使われているのかどうか…、微妙な雰囲気。浄水場付近からここまで人の気配がなく、このインクラインに関する手掛かりは全く無し。結局、何も分からないまま探索を終えるのあったが、竹または椎茸類の運搬、それに伴う資材の運び上げが目的のように推測する。

《データ》
■道原の作業用インクライン [現存]

◇福岡県北九州市小倉南区道原409付近◇石原町 西方約4km



[探索日:2015.09.19]




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