■吉野川上流の鉱山跡を探れ!



 河口が徳島県にある吉野川を遡ると大歩危・小歩危を経て、かつて四国の渇水で有名になった早明浦ダムに至る。ダムは高知県の北部に位置し、北側の峠を越えると愛媛県になる。
 ダム湖に沿って更に遡ると大川村に入る。村役場を過ぎ「白滝」の標識を頼りに県道17号線から県道6号線に入り北へ進路を取る。更に脇道に入りいよいよ行き止まりか?という場所に「朝谷山腹工管理棟」が現れた。ここは砂防工事関連や、かつてこの地にあった「白滝鉱山」の資料を展示している施設らしいが、探索時は無人で扉は施錠されていた。建物の周辺は草が生え管理されているのかどうかも判断できないような状況だ。
 かつてこの一帯は白滝鉱山だった場所で、この管理棟も少し離れて見ると選鉱場だったことが分かる形状をしている。ここに鉱車が展示されていると聞いてやって来たのだが果たして…。
 建屋の少し手前に建屋の下方へ延びる道があったので降りてみる。するとホッパーを模したような形状の建屋下に錆びた鉱車を発見した。
 鉱車は一応、レールの上に乗って「展示」されているのだろうが、周囲にはビニールシートが散乱し、とても展示物とは思えない状況であった。それでも遥々やって来たからには少しでもいいアングルで写真を撮りたいと思い周囲をグルグル。鉱車が一番良く見えるのがこのカットだった。
 鉱車も調べてみると銘板が付いていた。⦅株式会社泉尾鋳鋼所 昭和35年11月⦆と読み取れる。軌間は610mmであった。
 もう少し周辺を探索したいところだったが、建屋周辺の管理状態が悪く断念。峠を越えた所にある別子鉱山筏津坑を目指し坂を下った。
 尚、土讃線大杉駅からは約40km、公共交通機関はないようだ。

《データ》
■朝谷山腹工管理棟(白滝鉱山跡) [保存]

◇高知県土佐郡大川村朝谷122◇大杉


《車輛データ》
◇01:白滝鉱山 FC(泉尾鋳鋼所 1960.11/鋼製2軸鉱車 610mm)

[探索日:2021.05.26]




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