■讃岐の木材防腐工場を探れ!

 ある鉄系ブログでこの軌道の存在を知った。香川県は比較的トロネタの薄い地域なので貴重な存在だ。
 ようやく明るくなり始めた空を見ながら朝食にまずはうどんを一杯。腹を満たして空が明るくなったところで探索開始。車を海側にある工場地帯に走らせた。以前は貨物線が延びていたらしいが今は無く、所々に怪しげな曲線の空間が残っているだけだ。工場地帯を貫く幹線道路から脇道に入った所に大日本木材防腐四国工場の入口があった。
 早朝なので工場は稼働前だった。勝手に入るわけにもいかずフェンスの外から様子を窺うとレールとU字型のトロッコが見える。何本かある軌道の一番奥の軌道にU字型のトロッコが何両か置かれていた。手前側の線路上には木材が置かれていて軌道としての用途は終えている感じだが奥の何本かは現役なのかも知れない。但し、軌道は途中で分断されているので軌道全体が使われていない可能性もある。防腐剤を浸透させる釜のような装置と軌道末端までは100メートルくらいあるようだが、そのほぼ中間地点で何本かある軌道の全てが撤去されているのである。それは踏切のようでもあり、トラバーサーを埋めた跡でもあるように見える。U字型のトロッコは軌道上に乗っているものと外されているものがあるが、木材を載せたトロッコの姿はなく、釜側の軌道上にはトロッコはない。構内に動力車らしきものはなく、動力はフォークリフトなどの車両かワイヤーロープなどと推測される。写真のトロッコにはワイヤーロープのようなものが写っているが…。
 探索時に構内に入っていないので軌道の詳細が分からないがグーグルマップの航空写真では明確に軌道が確認できる。100メートルほど延びる軌道延長で6線ほど平行した軌道が並ぶ。分岐もあり軌道末端では全ての軌道がひとつに纏まっていた。
 讃岐地方の貴重な工場軌道は末永く残って欲しい…、そう思いながら工場を後にした。

《データ》
■大日本木材防腐四国工場 [現存]

◇香川県坂出市昭和町2-5◇坂出 歩30
◇区間:工場内◇距離:不明◇軌間:不明◇動力:不明◇敷設日:不明
 

《車輛データ》
◇01:FC(鋼製2軸U字型)多数


[探索日:2016.12.12]




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