■貞光の商店跡を探れ!

 「うだつ」の街で名高い貞光町。その古い街並みの中の商店に軌道があるらしい…。商店の名は「阿佐商店」と言う金物店。早速ネットで調べてみると、確かに貞光町の街中に阿佐商店が存在した。しかしその商店は古い感じに造られているが新しい商店であった。これは撤去されてしまったか…。そう思われていたが、もう少し突っ込んで調査すると違う場所にも同じ名前の商店があるようだった。これは一体どういう事なのか?
 同じ名前の商店はすぐ近くで同じ金物店…。どうやら移転したらしい。となると旧商店跡はどうなっているのか?ある日、ふとグーグルストリートビューで探っているとアルミ扉の下にチョロっとレールらしき物を発見!これだ!2016年12月、仕事で関西に行く事になったので足を延ばしてみた。
 貞光駅側から車で街並みの中をゆっくり流す…。すると新阿佐商店の向かい側に旧阿佐商店らしき建物があった。建物に商店名は無いが街灯に「阿佐商店」の文字が残っていた。しかも…、レールがある扉の隣りの扉が開いている。近くに車を停めて急行する。すると覗き込んだ扉の中はこの光景。間違いなく軌道跡だった。腐食が進んでいるが軌道跡は明確に残っている。情報では奥深くまで続いているとの事だったが10メートルくらいで終わっている。恐らく途中の部分に住居部が造られたようであった。航空写真などで確認すると道路から奥の蔵らしき建物まで30メートル近くある。そこまで軌道があったと仮定すると距離は符合する。もしかしたら住居部裏手にも軌道が残っているのかも知れない。扉の外の軌道末端部で軌間を計測すると495mmであった。見える範囲では台車などの車輛は確認出来ないが規模から推測して人力の平台車程度であろう。
 時代の波に消されてしまいそうな小軌道であるが、その痕跡だけでも残せるのは幸いであった。

《データ》
■旧阿佐商店 [廃線]

◇徳島県美馬郡つるぎ町貞光町8-1◇貞光 歩15
◇残存区間:旧店舗内◇残存距離:0.01km◇軌間:495mm◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明

 

参考:ブログ軽探団「師走の阿波を探る」2016.12.11

[探索日:2016.12.11]




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