■呉の桟橋軌道跡を探れ!


 フェリーで呉港に着いた。呉は海軍の街である。海上から街の様子を眺めていた。今でこそ旧海軍の施設の多くは民間に払下げられているが、それでも自衛隊が使用している施設を見ていると海軍そのままだ。
 船を降りて真っ先にフェリーターミナル近くにある大和ミュージアムへ行き、チャリを借りて遊歩道風の公園として整備されたアレイからすこじまへ向かった。海岸沿いを南東へ進み、途中で南西に進路を変える。意外と坂道が多く苦労する。「いかにも!」と言う感じで旧軍事系施設を匂わせる海上自衛隊やIHIの工場横を海岸線から逸れないように走った。約20分で目的地付近に来た。
 桟橋には潜水艦が何隻か停泊している。少し恐怖感すら覚える光景だ。そして2本目の古く細い桟橋上には軌道跡が残っていた。状況から見て軌道は元海軍のものであろうことは容易に想像がつく。
 桟橋は鉄格子の門と有刺鉄線で厳重に立入りが禁止されているが、門の隙間から軌道跡が良く見える。軌道跡は距離にして30メートルくらいか?軌間は目測で1メートル以下の様な感じだ。軌道跡は桟橋以外には残存しておらず計測が不能だ。
 桟橋から道路を挟んだ反対側には古い倉庫が建っている。この倉庫は呉海軍造兵廠の建物として建造されたもので、戦後から民間が使用しているという。軌道の延長線上に倉庫の扉があるので、恐らく軌道は扉の中へ続いていたのだろう。倉庫には「呉貿倉庫運輸株式会社」と書いてあるが扉が閉まっていて中の状況は分からなかった。

《データ》
■潜水艦桟橋 [廃線]

◇広島県呉市昭和町◇呉 バス10(潜水隊前)→歩すぐ
◇残存区間:桟橋上◇残存距離:約0.03km◇軌間:不明◇敷設日:不明◇廃止日:不明


[探索日:2010.12.19]




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