■三石のホッパー上を探れ!

 1980年代の半ば頃、鉄道ピクトリアル誌で発表された「岡山県八木鉱山のバッテリーロコを訪ねて」で紹介されたのが初めてであろうか。
 三石駅から国道へ出て岡山方面へ。緩い峠を越えて側道に入り国道を逸れて大きな左カーブになるあたり右手に木造の廃鉱山らしき施設がある。ここも八木鉱山だが新大切坑があったところ。そのチョット先に鉄工のホッパーがあって上部を見上げると何やらトロッコらしきものが確認できる。
 ホッパー上に続く道を上がって行くと…、コンクリートで塞がれた坑口に「常慶坑」とある。八木鉱山の常慶坑だ。坑口の近くには鋼製の台車の残骸やレールが散乱していた。草生した軌道跡を辿って行くと現れるのがこの写真。複線の線路上に忘れ去られたかのようにローダーが2台あった。ローダーには共に銘板が付いているが文字が判読できず、太空の500型という事しか判らなかった。
 坑口からホッパーまでは30メートルくらいか?軌間は508mmである。ホッパーの先には機関庫の様な建物があって軌道はそこまで。ピクトリアル誌に描かれている配線図通りである。
 ピクトリアル誌には新大切坑と思われる写真が何点かあるが常慶坑の写真、記述がない。動力は蓄電池の可能性が高いと思っているが、軌道規模から人力の可能性も否定できないか…。
 閉山から何年経っているのか分からないが、三石界隈では操業当時の様子を十分に推測できるほど軌道跡が残っている鉱山跡である。 

《データ》
■八木鉱山 常慶坑跡 [廃線・放置]

◇岡山県備前市八木山130◇三石 歩30
◇残存区間:鉱業所内◇残存距離:約0.03km◇軌間:508mm◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

《車輛データ》
◇01:八木鉱山 FC(太空/2軸ローダー 508mm)
◇02:八木鉱山 FC(太空/2軸ローダー 508mm)
◇03:八木鉱山 FC(鋼製2軸平台車 508mm)

参考:鉄道ピクトリアル 462p106-108(1985.06)
   ブログ軽探団「早春の吉備路を探る」(2017.03.03)

[探索日:2017.03.03]




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