■智頭の協三保存機を探れ!

 立派な木造校舎が文化財級の山形小学校のすぐ隣りにある公園に沖ノ山森林鉄道のDLと台車が保存されている。一応、交通公園と言うことらしいが、この保存車両と、アスファルト上に描かれた自転車練習用の8の字で何とか「交通公園」らしさを保っている。訪問したこの日は、交通公園と言うよりも、何となく駐車場という感じになっていた。
 まあ、それはさておき、肝心の保存車両であるが、近くに立っている説明板によれば、森林鉄道廃止後、運び出された車両たちをよそに何故かこの機関車だけが取り残され、山の中で放置状態であったものを修繕し昭和58年11月にこの場所に保存されたと記されている。忘れられたとしか思えない機関車が安住の地を得てから25年以上経った現在、屋根、囲いなしの屋外展示と言う事もありだいぶ痛みが進んでいる。全く補修をしていない感じではなさそうだが、そのサマはまた元の放置状態に戻ってしまうのでは?と心配するほどだ。エンジンカバーやキャブの窓やドアなども無いので余計に痛々しく見える。保存車両は機関車のほかに木製の台車が2両あるが、何故か台車同士が鎹で固定されていて長い平台車の様にも見える。一見、機関車に合わせて復元された様な印象を受ける。台車についての履歴はないので素性は全く分からない。
 折角、生き延びた貴重な機関車がもう2度と忘れられる事の無いよう願うばかりである。
 尚、近くの道の駅で入手した智頭町の案内冊子の中に少しだけ沖ノ山森林鉄道跡の紹介がありました。今回は訪問していませんが、その冊子によると、ここの奥の遊歩道入口から徒歩30分程度で行けるようなので、時間があれば足を延ばして見たいものです。

《データ》
■智頭町交通公園(山形小学校隣) [保存]

◇鳥取県八頭郡智頭町大字郷原238(山形小学校)◇恋山形 歩20◇終日・無休◇無料◇屋外展示
 

《車輌データ》
◇01:鳥取営林署 沖ノ山森林鉄道 DL(協三工業/B型 4.5t 762mm)
◇02:FC(木製台車 762mm)
◇03:FC(木製台車 762mm)
◇参考:TF322p64(1986.06.07)・RF485・RF555・RF666p60(1986.06)・全国保存鉄道2・全国軽便鉄道・林鉄の軌跡p86(1986.06.07),p87(1984.04.23),p99(1986.06.07)

[探索日:2009.07.24]



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