■奈良の白寿トロッコを探れ!

 近鉄奈良駅に降り立った。奈良に来るのは何年振りだろうか?学生時代に来た記憶が薄っすらと蘇るが…。
 近鉄奈良駅から商店街を南へ歩くと約10分でトロッコ界では有名な古梅園がある。風格漂う建造物の中を一筋の軌道が良く見えるが、ここは軽く流して次へ。一番の目的地は更に10分近く歩いた所にある小川又兵衛商店だ。道中、古くて怪しげな(トロッコ的に)建物がたくさんあるので視線をキョロキョロ。(こっちの方がよっぽど怪しい!)
 小川又兵衛商店は商店と住宅が混在する街中にある酒問屋だ。街角軌道に共通する奥行きの深い敷地の中を軌道が縦貫する。奥の倉庫から店先まで商品を運搬する目的で敷設されている。現在はあまり出番はないそうだが、それでも現役。訪問時は小売りもやってる店先に休憩用の腰掛代わりとして停車?していた。ここで購入した酒も呑めるようになっているらしい。
 年季の入った木製台車の台枠にはトロッコの簡単な説明文が貼ってある。(座布団下の白いヤツ)

 【トロッコ】
 大正元年製造。
 営業キロ数 60m
 表から裏の蔵まで、途
 中駅なし。動力は人力
 です。

 大正元年がすぐに計算できず、手帳に入っていた年齢早見表を見ると…、西暦1912年。なんと99年も前だ!今まで見たトロッコの中では最高齢かも…。
 軌道部はメンテナンスした形跡がある。台車もきっと大切に使われているのだろう。こんどはトロッコに腰掛けて酒でも呑んでみましょうか…。ご老体に申し訳ないかな?

《データ》
■小川又兵衛商店ならまち店(旧本店) [現存] HP

◇奈良県奈良市鵲町8◇近鉄奈良 歩15
◇区間:店内〜倉庫◇距離:約0.06km◇動力:人力◇敷設日:1912年
 
《車輌データ》
◆01:小川又兵衛商店 FC(1912年/木製平台車)

[調査日:2011.05.11]




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