■京終の酒屋を探れ!


 京の終わり「京終」と書いて「きょうばて」と読む。文字通り京の終わり(果て)と言う事だが、その平城京の南の果てに飛び切りの現役トロッコがある。ネット等で紹介されているのでご存知の方も多いと思うが「萩原酒店」の屋内軌道だ。
 場所はJR桜井線京終駅の北約200メートル。徒歩で5分もかからないくらいだが、この日は奈良市内にある別のトロッコの後に向かったので近鉄なら駅から約25分歩いた。雨が意外と降っていたので、靴の中がだいぶ濡れていて足が不快であったが、酒店の前まで来て扉越しにレールが見えた時は不快感など一気に消えてしまった。まずは店の外観写真を撮って扉を開けた。
 奥から女将さんらしき方が出て来たので来意を告げるとすぐに取材OK。早速写真撮影開始!
 軌道は扉の中、すぐ始まり店から帳場を抜けて奥の倉庫に達する。良く見ると少し左右にカーブしているあたりがいい感じである。店と帳場の間には「萩原」の文字が染められた暖簾がかかっているので、取材は店の部分を中心に行った。女将さんは奥へ行ってしまったが、少しすると台車を押して店に戻って来た。わざわざ台車を取りに行ってくれたのだった。(本当に恐縮です)更に台車が動かないように車輪に止め木を挟んでくれた。
 台車は鋼製、押し易いように取っ手が付いているが、取っ手は取り外し式で押す向きによって付け替えられる構造になっていた。(写真奥の黄緑色の物体が台車)車幅はレール幅とほぼ同じだが、長さは結構あり、ビールケースなら3ケース分くらい並ぶ長さだ。
 軌間を計測したのだが、メモがなくなってしまい数値が分からなくなってしまった。レールはアングル材を利用したものなのでレール上面がフラットである。レールではないのがやや残念ではあるが、恐らくこの方が安全面では有利なのであろう。軌道長も結構ありそうだが正式には記録していない。
 軌道の起点のすぐ横には角打スペースになっている。訪問したのは午前中で生憎角打としての営業時間外だった。機会があればトロッコを横目に一杯行きたいところだ。


《データ》
■萩原酒店 [現存]

◇奈良県奈良市北京終町28◇京終 歩5
 

《車輛データ》
◆01:萩原酒店 FC(鋼製台車)[2016.03.09確]

参考:ブログ軽探団 春の古都奈良を探る(2016.03.09)
   京終見どころ案内

[探索日:2016.03.09]




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