■播磨高岡の製材所を探れ!


 姫路から姫新線に乗って一駅、播磨高岡で下車。改札口を抜けて真っすぐ行くとすぐに国道2号線に出る。横断歩道を渡り右へ進み、次の信号を過ぎると左手に分岐する、いかにも旧道という趣きの道がある。入るとすぐ左手に古い製材所が現われ、建物の壁面には都藤木材の文字が見える。
 そしてその建物横の駐車スペースを覗き込むと…、道路と並行する向きに一筋の軌道があった。しかし…、軌道がある製材所の建屋は取り壊し作業の途中であった。とりあえず隣地の集合住宅の駐車場から様子を窺っていると、製材所敷地内に駐車してあった車に男性が近づいて来た。声を掛けてみると「父が製材所をしていたが廃業する」と言う。何と製材所をされていた方のご子息であった。写真の撮影をお願いするとすぐにOKして頂いたので敷地内に入り撮影開始。
 軌道はアームロール車の荷台の向こう側に少しだけ見えたが廃材が置かれていて末端が確認出来ない。それでも延長線を辿るとそう長い距離ではなかった。距離は10メートルくらいだろうか。写真を撮っていると、「以前は向こうに(集合住宅側)に木材置場があって、そこまで(軌道が)延びていたんですよ。」と説明してくれた。あと10〜20メートルくらい長かったと推測できる。
 奥まで立入りを許可してくれたので、注意しながら取り壊された建屋の中にも入ってみた。見える範囲でトロッコは確認できなかったが、レール上を移動する製材用の機械はそのまま。錆びることなく綺麗な状態だ。使われなくなってからあまり時間は経っていないようだった。残っている部分を見れば歴史のある製材所であることは容易に判った。もう少し早く訪問できればいい雰囲気の写真が撮れたと思う。すぐ近くの国道2号線は今までに何度も通っていたので悔しい気持ちが大きかった。
 製材所の建屋は取り壊されるが、この後、敷地全体がどうなるのか?聞けずに撮影を終えて製材所を後にした。恐らく痕跡がなくなる可能性が大きいだろうな…。駅に戻る足取りは重かった。

《データ》
■都藤木材 [廃線]

◇兵庫県姫路市西今宿3-11-5◇播磨高岡 歩5
◇残存区間:製材所内◇残存距離:約0.01km◇軌間:610mm◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

[探索日:2019.11.22]




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