■京都の貸しガレージを探れ!

 ♬まるたけ、えびすに、おしおいけ〜〜、
  あねさん、ろっかく、たこにしき〜〜…、

 京都の街をを東西、南北に走る通りには何か曰くのありそうな名前がついているが、その通りの名前を覚える歌の歌詞である。この軌道跡が紹介されたレイルマガジン誌には、その所在地に「油小路一条上ル」とあった。これは是非探索してみたい…、と思っても京都の通りの名前に疎い私には場所を探し出すのは苦労した。兎に角京都の地図を手に入れて探す事に。東西に走る一条はすぐに分かった。あとは南北に走る「油小路」だ。「油、油、油…」あった!で、「上ル」ということは一条通りと油小路の交差点の北側にあるということだ。
 今出川駅で降りて今出川通りを西へ。そして油小路に入り南へ下ル。するとレイルマガジンで見た「着色ガレージ」が現れた。
 通りに面した入口部分から奥へレールが延びている。チョットお邪魔して中へ。地面はコンクリートで固められながらもレールはしっかり確認できる。軌道は途中で左に曲がっているが、曲がり方は曲線的ではなく、カクっとした感じで曲がっている。そして建物を抜けて屋外に出て敷地の中を斜めに走り突然終わっていた。
 以前、この建物は何に使われていたのか?立地から推測すると商店か工場のどちらかで間違いないであろうが、壁がない感じで広いスペースを確保していることから工場に近い雰囲気だ。よく探ってみるとガレージ内にある看板に「太田着色工業」とあった。やはり工場の可能性が高そうだ。周辺には織物、呉服系の商店が多いが関連はあるのか?他にガレージ内には手がかりになるようなモノがなく皆目見当がつかなかった。
 最初の探索から10年以上経った2008年に再訪してみると、着色ガレージは建物ごと無くなっていた。周囲の建物も変わってしまい着色ガレージが何処にあったのかすら判らなかった。それらしき場所にはコインパーキングがある。恐らくココではないだろうか?結局、何の答えも出せないまま、軌道は完全に消えてしまったのだった。

 ※2008.09.03再訪・完全撤去を確認

《データ》
■着色ガレージ [廃線]

◇京都市上京区革堂西町521◇今出川 歩10
◇残存区間:車庫内◇残存距離:0.026km◇軌間:327mm(実測値)◇敷設日:不明◇廃止日:不明◇撤去日:不明
 

◇参考文献:RM129p72-73

[探索日:1995.06.09]




inserted by FC2 system