四日市港の倉庫から一筋の軌道が岸壁に向けて延びている。軌道の距離は数十メートルで軌間は1067mm。直線の線路と車止めだけの極めて単純な軌道だ。
ＪＲ四日市駅から四日市港方面へ延びている貨物線は途中、可動橋の末広橋梁などもあり魅力的である。しかし四日市海運倉庫の軌道は貨物線とは関係なく更にその先の埠頭に位置する。
軌道上にある車輛は重量物を運べる電動の台車が１台だけ。倉庫内の鉄鋼製品を船が接岸する所まで移動させるのが目的だが、軌道末端部にはクレーン設備がない。その役目は近くに停まっているクレーン車が担っているようだった。
探索時、軌道作業は行われておらず、倉庫のシャッターは閉ざされたまま。昼間だというのに人影もなく、倉庫、岸壁付近はただ穏やかな時間が流れていた。
《データ》
■四日市海運 ［現存］
◇三重県四日市市千歳町34付近◇四日市 南東2km
◇区間：倉庫内〜停泊護岸◇距離：0.03km（推定）◇軌間：1067mm◇動力：蓄電池◇敷設日：不明
［探索日：2017.08.13］
