■津の古い造酢工場を探れ!

 拡幅された伊勢街道(参宮街道)の国道23号線を津駅近くから南へ向かい、途中岩田交差点から左折し旧道に入ると沿道は一変して住宅街に変わる。古い住宅は少なく旧街道沿いの雰囲気は希薄だがやがて現れる大きな木造建造物と煙突は間違いなく目を引く。そして付近には仄かに酢の香りが漂い、ここが造酢工場であることに気付くはずだ。その工場の製品の積出し作業に忙しい事務所前の通路を覘くと一筋の軌道が見える。しかし奥行きの長い通路の途中で軌道は途切れてしまっていて残念ながら廃線のようである。
 ここ山二造酢(やまにぞうす)の創業は明治20年(1887年)。建物も約100年前ものだという。軌道の使い始めの時期は不明、使用終了はフォークリフトが奥まで入るようになった頃である。トロッコも残存しておらず約20メートル程度の短い軌道跡だけだが、古い建物も相まって全体的にいい雰囲気を醸し出している。
 今でもなお昔ながらの古い製法で酢を製造している老舗作酢工場。ここを訪れた際は軌道だけでなく、工場の周囲を一周して工場全体の雰囲気も楽しんでいただきたい。

《データ》
■山二造酢 [廃線]

◇三重県津市阿漕町津興2476◇阿漕 歩15
◇区間:搬出口付近◇残存距離:約0.02km◇敷設日:不明◇廃止日:不明

 

[探索日:2012.07.31]




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