伊勢神宮とトロッコの関わりは深いが、一般人の目に触れる機会は少ない。その中でもお手軽に探索できるのが伊勢神宮内宮の北に位置するここ宇治工作所だ。本来は通行禁止のようだが、地元の人は構内を散歩したりと普通に歩いている。
　製材作業は現在（探索当時）でも行われているが、軌道は使われていない。それでも軌道はほとんど撤去されることなく結構な距離で残存していて、稼動していた頃の様子をイメージすることが出来る。メインの通路の端に本線が続き、その途中から分岐やターンテーブルで枝分かれして、作業場のある建物の中に延びている。一見直線的であるような雰囲気ではあるが良くみると微妙にカーブしていたり結構魅力的な廃線だ。
　車輌は残っていないようだが、本線上にターンテーブルを多用している事から動力車はなく人力トロッコであったと推測する。軌間は610mmであった。
　暫し軌道跡を見て歩き探索していると、はやり活気があったであろう現役時代に、この軌道を見たかったと感じる。木材を載せた台車が行き来している様は最高だったに違いない。

《データ》
■伊勢神宮神宮年式造営廳宇治工作所　［廃線］
◇三重県伊勢市宇治館町　内宮◇伊勢市　バ20
◇残存区間：工場内◇軌間：610mm◇動力：人力◇敷設日：不明◇廃止日：不明
　
◇トワイライトゾ〜ンマニュアル14p246-247（2005.06.24）

［探索日：2009.08.31］