1995年頃から何度か名古屋の堀川、中川沿いにある製材所のトロッコ軌道を探索したが、回を追う毎に軌道は消え敷地の広い製材所はマンションなどに建て変わってしまった。そんな中、この山平製材所は軌道が公道を横切る数少ない製材所だった。
金山駅から歩いて約10分、堀川に架かる住吉橋を渡ると左手に山平製材所がある。初めて探索した1995年5月は軌道と共に鋼製の台車あった。軌道上からは外されていたものの、製材所自体に活気があって現役軌道を思わせるくらいであった。動力車はなく人力軌道と思われたが製材所にフォークリフトがあるので、これが動力車の代わりをしていたのかも知れない。軌道がある川端から製材所の奥まで20メートルくらい。軌間は610mmであった。
2回目の探索は2008年。この時、軌道はそのままであったが台車の姿がなくトロッコは使われていない状態になっていた。最後に探索した2010年も変わらない状況であった。
今回、アップするにあたりストリートビュー（2014年4月撮影）で現況を確認してみると残念な事に製材所が無くなり、軌道自体も撤去されてしまっていた。2012年2月撮影では製材所は廃業した直後の雰囲気であるがトロッコ台車が写されている。軌道の撤去は2012年〜2014年の間という事になる。
かつては多数存在した名古屋の堀川、中川端のトロッコ軌道も人知れず姿を消し、残された軌道は僅かである。
《データ》
■山平製材所 ［撤去］
◇愛知県名古屋市中川区柳川町1◇金山 歩10
◇区間：堀川河岸〜製材所内◇距離：約0.02km◇軌間：610mm◇動力：人力◇敷設日：不明◇廃止日：2012年頃
［探索日：2010.04.08］
