■名古屋新堀川堀留めの製材所を探れ!

 名古屋の中川、堀川、新堀川沿いには今でも沢山の製材所があってトロッコ軌道も多く残っているが、既に役目を終えてしまったものばかりで、全盛期の姿を想像すると現在の様子は寂しい限りである。それでも軌道の痕跡が残っていればまだいい方で、敷地の大きさを利用してマンション化してしまい軌道の痕跡すら残っていない所も少なくない。しかしそんな中、現役で稼動しているトロッコが奇跡的に残っていたのである。実はこの製材所の存在は一年前、山佐林業を探索した直後に知って長い間、探索する機会を窺っていたが、ようやく探索することができた。軌道が稼動しているかどうかは不明であったが、Googleのストリートビューでも軌道の存在は確認できた。場所は新堀川のドン詰まり、若宮大通に近い所で、市内の他の製材所同様、新堀川の水運との関連も考えられた。
 現地を探索してみると軌道はすぐに確認できた。写真は公道からの撮影である。製材所の周囲はマンションが立ち並び、製材所のところだけがタイムスリップした感じであった。
 写真の手前側に道路を隔てて新堀川があるが距離は30メートル以上ありそうだ。製材所は道路より高い位置に建てられていて、道路と軌道は高さが合わない。現地の様子では新堀川の水運との関連は微妙であったが道路は若宮大通から下ってきているので、もしかしたら製材所の高さが元の高さだった可能性も否定できない。
 探索は公道からも十分可能である。チョット失礼して軌間だけ計測させて頂いくと480mmであった。少しヨレながら延びる軌道の長さは約15メートル。製材機の所で軌道は終わっているが台車が1台確認できる。レールの錆び具合からも稼動中であることが窺えた。今回の探索は早朝だったので台車が動いている姿は見られなかったが、工場が稼動している時間帯に探索すればゴロゴロを押されて来る姿が見られるかも知れません。

《データ》
■三建木材工業 [現存]

◇愛知県名古屋市中区千代田1-11-35◇矢場町 歩10
◇区間:製材所内◇距離:約0.015km◇軌間:480mm(実測値)◇動力:人力◇敷設日:不明
 
《車輌データ》
◆01:三建木材工業 FC(木製2軸台車/480mm)

[探索日:2012.07.31]




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