■林鉄名残りの製材所を探れ

 大井川鐵道千頭駅から川根両国駅方向へ歩き、大井川に架かる橋を渡り突き当たりを左折。やがて木造の渋い製材所が見えて来る。鰹ャ長井木材の製材所だ。ここの軌道がレイルマガジン誌で紹介されて以来、探索の機会を窺っていたが1987年の夏に行く事ができた。正確のメモを残していなかったが、手元に残存する大井川鐵道の切符の日付から探索日が8月7日だった事が判った。
 この製材所内には約100メートルの一筋の軌道が敷設されていて木材の移動に使用されているが、実は民間の森林鉄道、智者山林用軌道(智者山軌道と記載される)の名残りの軌道と言われている。たまたま我が家に少し古い登山地図があってその図幅の端っこに僅かながら智者山林用軌道が記載されていた。それによればこの製材所あたりが林用軌道の起点だったことが判る。(下の地図を参照)
 まずは事務所に行って探索の許可を頂く。方言がきつくて良く聞き取れなかったが何となく「自由にどうぞ…」的なニュアンスの様に受け止めた。(ホンマかい!)
 事務所前が軌道の起点だった。綺麗に製材された木材が並べられている。ここからトラックに積まれて配送されるのであろう。軌道は微妙に曲がりながら大きな文字で「禁煙」と書かれた製材工場の建物の中へ続く。

 軌道の左右に製材に使われる機械が雑多に並んでいる。主に建材に使用されるような材木が並ぶ。軌道は更に微妙に曲がりながら奥まで延びている。意外と距離がありそうだ。奥に台車のようなトロッコが見えた。

 

 トロッコは木製で台車の両側に材木落下防止の棒が付いている。動力車なく人力で移動するようだ。
 軌道は製材工場を貫通して屋外へ出る。簡単な造りの門の先で道路の下を潜り、その向うは貯木場になっていた。

 貯木場にも同じタイプのトロッコがもう一台あった。木材が積んでなかったので台車の構造が良く判る。

 

 軌道は貯木場の中を更に数十メートル続いて終わっていた。
 軌道末端で折り返し、ゆっくりと起点まで戻り探索を終えた。事務所でお礼の挨拶を済ませて製材所を後にした。

《データ》
■小長井木材 [現存]

◇静岡県榛原郡川根本町東藤川1127-2-1◇千頭 歩15
 

 

◇区間:製材所内◇距離:0.1km◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明◇撤去日:不明

 最後に公道の橋の上から製材所と貯木場を望んだ。か細いレールと木製のトロッコが好印象だった。

 

 その後、2004年8月に家族旅行で大井川鐵道を訪れた際、製材所のあった場所に車を走らせてみたが、既に製材所の建物はなく、貯木場があったあたりには温泉施設が出来ていて、当時の面影は完全に無くなっていた。

◇参考:RM31p104-105・トワイライトゾーンp78-87(1980.11.03)

[探索日:1987.08.07]




inserted by FC2 system