■遠江二俣のガソリン計量器のある商店を探れ!

 遠江二俣の街中を縦断する旧秋葉街道沿いには古い建物が多く残っている。特に商店風の建物が並び商店街を形成しているが商売をやめてしまっている店舗も多い。その中でも店の前に置かれている古くて赤いガソリン計量器が一際目を引くのが鎌田屋商店である。計量器は昭和初期のモノらしい。ここ鎌田屋商店も既に商いをやめているが商店時代の風格は強く残っている。通りに面した広い間口には綺麗なガラスの引き戸が並び、その中には一筋の軌道が延びているのが見える。
 鎌田屋商店は元は米店で、軌道は店から裏の蔵まで続き、米の運搬に利用していたものだ。土間を貫通し裏扉から外へ出ると少しカーブして蔵へ達する。目測で距離は約30メートル、軌間は500mm程度、トロッコは残っていないようであった。
 二俣の街を歩くのは、昔、天竜林業高校に保存してあった酒井を探索して以来、今回で2回目だ。その時もこのあたりを歩いたハズだが、その頃は古い町並みにはあまり興味を持たず保存車にまっしぐらだったので、こんな街角軌道に気付く事もなかったが、古い町並みの中には商店、蔵、銭湯などまだまだ見所も多いようだ。「二俣はじっくりと時間をかけて探索する価値のある街」…、そう感じながら二俣を後にした。

《データ》
■鎌田屋商店 [廃線]

◇静岡県浜松市天竜区二俣町二俣1328◇二俣本町 歩10
◇残存区間:店舗〜倉庫◇残存距離:約0.03km◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

[探索日:2012.08.28]




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