■富士山麓の製紙工場倉庫を探れ!

 入山瀬駅のホームに降り立つと晴天の先に白い富士山がくっきりと見えた。この景色だけでここに来た甲斐を感じるくらい鮮やかな富士山だったが、目的はいつものようにトロ探索である。跨線橋を渡り改札口へ向かう。
 改札を出て右手へ歩くと公園の中に国鉄時代の客車とSLが図書館として利用されていた。その公園の先の踏切を渡ると今回の目的地だ。
 踏切の向こうに倉庫が見える。そしてその敷地内には…、身延線と並行するように軌道が残っていた。
 軌道は公道に面する門から敷地内を真っすぐ奥まで延びている。目測で100メートル以上ありそうだ。門から20メートルくらいの所には分岐も確認出来る。また門の所で途切れた軌道は公道上にも数メートル残っていて、公道を挟んだ向こう側にも続いていた事を窺わせていた。その公道を挟んだ向こう側は現在、自動車学校となっていて広い敷地になっているが恐らく製紙工場系の施設があったのであろうと思われる。自働車学校がある部分は入山瀬駅のすぐ横になる。公道に残る軌道で軌間を計測すると610mmであった。
 軌道が残っている敷地にある建物は倉庫として利用されているが、以前は工場だった事が容易に想像できる形状である。軌道は工場時代に使用されていたものであろう。
 敷地の西側にも公道が通っているので、そちら側に行って見ると残っている軌道の末端が確認出来た。途中のトラック積込み用に増設された屋根の部分は軌道が撤去(埋め込みかも?)されていた。確認出来た分岐は1ヶ所のみ。分岐した軌道は建物の方向に延びている。
 尚、この軌道は、軌間、規模や工場であったと推測される事などから何かしらの動力を使用していたと思われるが、車輛などの類は残っていない。

《データ》
■富士里和製紙 [廃線]

◇静岡県富士市入山瀬4-3-27◇入山瀬 歩5
◇残存区間:敷地内◇残存距離:0.12km(目測)◇軌間:610mm◇動力:不明◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

参考:ブログ軽探団「師走の富士を探る」2016.12.29

[探索日:2016.12.29]




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