■通用門に残る軌道跡を探れ!



 かつて東海道線富士駅から延びていた旭化成富士工場専用線の廃線跡はトワイライトゾ〜ンやWEB上などでも数多く紹介されているが、その中で沿線にある工場にあったナロー軌道跡について触れているものがある。しかし、そのナロー軌道の詳細ついては、ほとなど記述がなく、謎に包まれた状態であったので今回、調査に出掛けてみた。
 最寄駅は新幹線の新富士駅になるが、青春18きっぷを利用していたので在来線の駅からとなった。在来線では富士駅と吉原駅の中間ぐらいに位置する。旭化成の専用線も富士駅から延びていたので、一応、富士駅から専用線に沿って歩いてみることにした。
 専用線は富士駅から吉原駅方向に並行し、2つ目の踏切付近から海側へ逸れて行く。そこまでは線路に沿った道路がないので、製紙工場を迂回しながら行くことになる。その2つ目の踏切までは徒歩で30分弱の距離だ。専用線跡は、まだ線路は残したまま踏切から右にカーブしながら延びていたが、立入禁止区域になっているようだ。仕方がないので更に吉原方向へ進み、3つ目の踏切を渡り専用線から少し離れて並行する道路を行く。右手に専用線跡が見え隠れしているが近付ける一般道がない。しばらく進むと、富士市が管理する細い道(市道)が専用線方向に延びていたので入ってみた。粗いアスファルト舗装で歩行者と自転車くらいしか通れない道幅だ。すると、工場の裏手を通り道幅が少し拡がり専用線の跡に出て、更に写真の門があって、ナロー軌道が現れるのであった。
 レールが残っているのは工場の中だけであるが、市道部分のアスファルトにも線路の痕跡(レールの延長線上の路面にヒビ)があり、以前は専用線とほぼ直角に平面交差していたという。専用線を挟んだ向う側にも工場があるが、そちらには軌道の痕跡はないようだ。
 工場内の軌道は、すぐにカーブして建物の裏手に隠れてしまい、先がどの様になっているのか確認できないが、レールはカーブの途中でアスファルトに埋もれてしまっている。軌道は見える範囲で約10mである。軌間は実測値で590mmで細めのレールを使用している。規模や曲線の半径から推測するが、簡単な動力車を使用していたかどうか微妙な感じであった。
 尚、専用線跡が工場の駐車場になっていて、平日は通用門として開いているようである。

《データ》
■富士化工 [廃線]

◇静岡県富士市前田90◇富士 歩45
◇残存区間:工場内◇残存距離:約0.01km◇軌間:590mm(実測値)◇動力:不明◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

[調査日:2010.03.28]



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