建物の前まで行くとトロッコ軌道はすぐに確認できた。通りから見ると以前は倉庫だったような建物の中央に一直線の軌道が見える。現在は月極の車庫として使われているので車が出入りしやすいように障害物が何もない。鉄骨にスレート板の壁と屋根を付けただけで扉すらない単純構造の建物だ。
早速探索してみると、軌道長は約20メートル。軌間は600mm（実測値）であった。分岐、カーブなど一切なく直線のみ。傾斜もない単調な軌道跡である。それでも軌道部の溝は埋められる事無く残っていて車輛を乗せれば運行可能な状態だ。しかし残念ながら一番奥にある軌道の末端まで行ってみたが車輌の類は残っていなかった。この軌道が紹介されているＨＰによれば以前は「大垣青果乾物商店」という建物だったとの事。商店という名称であるが店ではなく倉庫として使われていたのでないかと推測する。
城下町の片隅に残る小さな軌道跡であるが、現地に行ってもその軌道の歴史を解明できず、在りし日の姿を想像するだけであった。街角軌道探索の奥深さを感じるのである。
《データ》
■大垣青果乾物商店跡 ［廃線］
◇岐阜県大垣市船町4-6◇大垣 歩30
◇残存区間：駐車場内◇距離：0.02km◇軌間：600mm（実測値）◇動力：人力（推定）◇敷設日：不明◇廃止日：不明
［探索日：2016.01.10］
