■高山の廃工場を探れ!


 高山の市街地から県道460号を北へ走り、松本橋で宮川を渡り数百メートル、左手に加茂神社が見えると、そのすぐ裏手の杉の木の陰に古いコンクリートの煙突がある。
 加茂神社の横の細い未舗装路に入り、神社奥の僅かなスペースに車を停めた。宮川の土手に向かって歩い行くと、その煙突のすぐ近くに出た。煙突を良く見ると「三菱鉛筆」の文字が確認できた。どうやら三菱鉛筆の工場だったようだ既に稼働しておらず、工場だったと思われる建物は別の作業場か倉庫に使われているようだ。
 更に探ってみると細長い建物が4列並んでいて、それぞれの建物の間に3本のトロッコ軌道が残っていた。部分的にレールが無かったり、埋められていたりするが軌道があった部分は明確だ。
トロッコ軌道はほぼ直線だが要所に転車台があって、それぞれの軌道と連絡しているよだ。目測だが総延長は100メートル以上になりそう。軌間は610ミリ。
 窓が塞がっていたり、中に物が置かれていたりで建物の中が見えず、それぞれの建物の役割が分からないが、軌道は製品や原材料の移動に利用されていたと推測するのが妥当であろう。動力は人力か?
見える範囲で車輛の類は確認できない。軌道がいつ頃敷設され、いつ頃まで使われていたのか全く分からない状況だったが、使われなくなってから長い月日が経っているのは間違いなく、老朽化した建物は取り壊しも遠い将来ではなさそうだ。そうなれば軌道の存在も危ういかな…、そんな感情を抱いて現場を後にした。

《データ》
■三菱鉛筆工場跡 [廃線]

◇岐阜県高山市松本町143-1◇高山 バス(松本町)→歩すぐ
◇残存区間:工場敷地内◇残存距離:約0.1km(複数路線)◇軌間:610mm

[探索日:2018.10.20]




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