■神岡東茂住の林道を探れ!

 この趣味の方には有名な廃車体であるが、私が初めてこの廃車体の存在を知ったのは鉄道模型趣味誌だった。模型誌なのでプロトタイプとして、当時、天竜林業高校に保存されていた酒井のDLと共に紹介されていた。酒井の方は保存場所が明確だったので、すぐに探索できたが、こちらは場所が曖昧であったので探索するには至らなかった。しかし最近はネット情報の普及により、100%ではないがある程度場所が絞り込めたので探索してみた。三井神岡軌道の廃止は1967年3月31日。既に廃止から50年以上経過している。果たして現存するのかどうか?
 2018年10月、あたりをつけた場所を目指して車を走らせた。東茂住集落、駐在所横の道を入ると左にカーブして登り坂になった。少し登ると道幅が広がり右カーブ。良く見ると細い道が交差していて、実はそれが神岡軌道跡である。線路跡の道は車での通行は難しそうだったので深追いはせずに目的地へ向かう。この先でダートになり「通行禁止」の表示があったがゲートなどの障害物は無くそのまま進んだ。やがて左にカーブして更に高度を稼ぐ。そろそろ目的地かと思った矢先、突如森の緑に同化するように崩れ落ちそうな廃車体が現れた。まだ残っていた!いやいやこれは感動モノです。
 鉄道模型趣味誌に掲載された写真では木の妻板と側板がだいぶ残っているが、流石に年月が流れると木は朽ちて金属のフレームと僅かな板が残っているだけ。とは言え形状は十分に保っている感じだ。
 道幅が広い所に車を停めて近づく。周囲を見て一通り写真を撮ったが、触るのは憚られた。流石にこの状態では修復は難しいであろう。それでも解体や撤去はせずに時の流れに任せて放っておきたい…、そんな思いを残して廃車体を後にした。

《データ》
■東茂住の林道 [放置]

◇岐阜県飛騨市神岡町東茂住◇猪谷 バス10(茂住)→歩(駐在所横の林道を約1.5km)
 

《車輛データ》
◇01:神岡鉄道 フ16 FC(有蓋車 610mm)車体のみ

参考:鉄道模型趣味399p67
   RF485
   RF555
   鉄道廃線跡を歩く8
   トワイライトゾ〜ンマニュアル13p63(1978)
   RF666p56(2000.11)
   ブログ軽探団「初秋の飛騨を探る」(2018.10.20)

[探索日:2018.10.20確]




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