■旧宿場町の酒蔵を探れ!


 元の塩尻宿から現在の塩尻市街に向かう旧中山道の緩やかな下り坂の途中に脇本陣跡の碑が建っていて、そのすぐ西隣にあるのが笑亀酒造だ。創業は明治18年(1883年)の老舗の酒蔵である。最寄のみどり湖駅からは2キロ弱くらいの距離だ。
 旧中山道から少し奥まったところに黒い建物の事務所があり、横の通路にトロッコの線路が見えた。既に使われていないがレールはかなり奥まで延びているようだ。
 まずは事務所に挨拶に向かう。扉を開けると人気がなく、「蔵に入っています」と書いてあったので、トロッコの線路伝いに蔵へ向かって歩いた。事務所の裏には無造作に何台か軽トラが停まっていて、それらを除けながら奥へ進む。事務所のすぐ先に蔵のような建物があり、その裏手には煙突が立っている。軌道はコンクリートで埋もれていてレールの頭だけが地表に出ている。一番奥には大きな倉庫のような蔵があって、少し開いた扉の向こう側に人影があった。覗くと3人の男の人達が背を向けて酒粕のようなものを一生懸命、袋に詰めている。声をかけると少しだけこちらを向いて、快く撮影を許可してくれた。それでも手を休めることもなくみんな黙々と作業を続けている。蔵の外から写真を撮っていると、「奥にも(線路が)あるから」と蔵に招き入れてくれた。酒造りに使う道具が無造作に置かれている。奥の方は暗くて良く見えなかったが、蔵のドン詰まりまでは結構な距離がある。手早く撮影を済ませた。忙しい時に私のお遊びでお邪魔するのが何か申し訳なく思ってきた。四合瓶くらいの旨そうなのがあれば買って帰ろうと思っていたのだが、本当に手を止めてもらうのが申し訳ないくらいだったので今回はお礼を言って帰ることにした。見える範囲では車輌の類はないようだったが、規模から推測して人力の平台車程度であろうと思う。蔵から事務所までの間で軌道にメジャーを当てて軌間を計測すると530mmだった。
 尚、店舗兼主屋、造蔵、穀蔵の3棟は国の登録有形文化財で、蔵の見学も随時受け付けとのこと。あまり忙しくない時期や時間はいつ頃なんだろうか?と考えながら帰路についた。
 また、限定品で「直汲み笑亀無濾過生原酒初しぼり」という、如何にも旨そうな名前の酒が正月頃に出るらしい。

《データ》
■笑亀酒造 [廃線] http://www.syoki.com/
◇長野県塩尻市塩尻町140-1◇みどり湖 歩30◇8:30-17:00・土曜日,日曜日,祝日休み
◇残存区間:事務所横〜倉庫◇残存距離:約0.08km(推定)◇軌間:530mm(実測値)◇動力:人力(推定)◇敷設日:不明◇廃止日:不明


 

[調査日:2010.07.22]



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