第三章 再び助六!

2.目的地はどこ?
 滝越で仮眠した翌朝、助六へ向けて車を走らせた。しかし車で行けるのは氷ヶ瀬のゲートまでだった。考えてみれば、いくら百戦錬磨のこの『スーパーインテグラ相変わらずバッテリーすぐあがる号』でも助六までは難しい。仮に助六まで行けたとしても、流石にJAFは来てくれないであろう。

団長「壊れるのが前提かい!」
S藤「いくら何でも助六まで入るのは無理でしょう?」
団「大丈夫だよ。助六くらい!」

 とりあえず氷ヶ瀬のゲートは閉鎖のため貯木場の横に車を置いて徒歩で鯎川林道に入った。さてどこまで歩くか?
 前回は昨年の11月だったが、その時とは全く気候が違う。夏の太陽が容赦なく照りつける。目的地は前回、Tちゃんと二人で行った黒淵に決めた。団長の知らない降り口から黒淵へ案内する事にした。氷ヶ瀬のゲートから小俣林道分岐まで約4km。秘密の降り口はその少し先になる。徒歩だと約1時間の行程になりそうだ。
 林道入口こそフラットだが、途中から突然急坂になる。

  この林道が助六まで通じていることを示す標識がある。
  炎天下のもとひたすら歩く団長。

   小俣林道分岐付近。

 ほぼ予定通り、ゲートから1時間弱で小俣林道分岐。この少し手前あたりに小俣線の軌道跡との交差点があると思うのであるが徒歩で確認しながらでも判らなかった。
 分岐点のところの木陰に清水がある。そこで我々は喉を潤しながら小休止。黒淵へ降りる階段まではあと僅かだ。
 再び歩き始めてすぐ階段入口に着いた。この部分だけ車が停められるように道幅が少し広くなっている。歩道を示すビニールテープを辿りながら階段を降りる。やはり帰りの登りを考えると少し憂鬱になるが軌道跡を見るためなら仕方ない。前回は晩秋の時期だったので草木は少な目だったが、今回は草木が鬱蒼と茂っている。階段を降りきると軌道跡が現れた。レールはそのままだが軌道跡には樹木が覆い茂って歩き難い。軌道に沿って進み橋を渡れば黒淵停車場跡だ。橋を渡りきったところでレールは途絶える。始めて訪れた団長は写真を撮りまくっている。

  黒淵から分岐する小俣線の鉄橋。奥に古い石積みの橋台がある。

 黒淵からは大鹿へ向かって歩いてみた。しばらく歩いてみたが、軌道跡はしっかり整備されていて車でも通れるくらいに歩きやすい。途中の橋やトンネルはほぼそのままだ。大鹿まで半分以上歩いたあたりの所で対岸に鯎川林道が見える。川の水量が少ない時などは釣り人たちはこのあたりを渡渉するらしい。以前、団長が川を渡る釣り人を見た事があるという。

   

 この先で軌道跡の整備がされなくなっている。崖崩れの箇所が近いようだ。ほぼ地形図の通りである。今日は帰りの行程を考慮して、このへんで勇気ある撤退だ。

  

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