第一章 いざ助六へ?

2.初めての王滝村
 1994年6月10日、いよいよ我々は助六に向けて出発することになった。団長、私S、そしてTちゃんを乗せた団長の愛車『ホンダインテグラ、スーパーバッテリーすぐあがる号』(この探索で廃車か?)は神奈川県を発ち中央道を一路、塩尻へと向かった。塩尻からR49を走り木曽福島に着いた。

Tちゃん「到着までヤケに早いですね」
S藤「トロッコファンに道中の話しなんか興味ないやろ。」
T「そりゃあ、そうですけど出発まで長すぎましたよ。」
S「しゃあないやんか!オッサン準備が遅いから。」
T「それは事実ですけど、それと前回の記事とは関係ないですよ!」

 木曽福島の町で食料と酒を買い込みガソリンを入れ準備OK。
 街を抜けて「元橋」交差点を右折すると、いよいよ王滝川に沿って山に入る。

S「対岸に王滝本線の跡があるはずだから、よう見といてよ。」
T「あっ、鉄橋だ!」
団長「えっ、どこどこ?」
T・S「前見て運転せい!」

 初めて見る木曽森林鉄道の遺物に胸が高まる。その後、釜沼温泉入口付近でも橋を見掛けたが、ここはまだまだ序の口。陽が傾きかけているので先を急ぐ。やがて王滝ダムが姿を現す。王滝村へ行くには、このダムの右側と左側の両方に道があり、右ルートが一般的であるが、ここで右ルートを選択するようでは完全な素人。ここは迷わず左ルートだ。理由は簡単。ダムの上からは森林鉄道跡が道路になっているからだ。下から上がって行くと死角になっているので見落としやすいが、ダムを越えてすぐのところ、左側の山肌に小さなトンネルがポッカリと口を開けている。王滝本線のトンネルである。
 ここから先は軌道跡の道を走る。勾配も比較的少なく、さほど幅も広くない道は如何にも線路跡という感じはするが、森林鉄道が走っていた頃の面影はない。交通量の少ない道を行くと、やがて製材関連の建物が並ぶ集落に出た。ここがかつて木曽森林鉄道王滝本線、運材列車の運行基地があった「田島」である。車の外は檜の香りが漂う。この付近には森林鉄道時代の建築物が多く残っている。古い貨車の車体を利用した倉庫もある。今回、木曽森林鉄道の車両を見るのは、これが初めてだ。建物の裏手にはヤード跡が広がっているようだ。ここは帰りにゆっくり立ち寄ることにしよう。

 

 今夜の泊まりは王滝村唯一のキャンプ場「御岳銀河高原キャンプ場」である。田島から王滝村の中心部を抜け御岳に向かって坂道を登ればそう遠くはない。このキャンプ場、標高が高い所にある為、なかなか快適なキャンプ場であるが(多分、夏場は最高)、難点が1つある。それはキャンプ場へ向かう唯一の道路が有料道路なのである。有料道路なので当然、料金所が存在する。そして、この料金所、中に人がいない事があるが、ここでラッキーなどと油断してはいけない。…

(中略)

 … 何故なら、キャンプ場で設営を終えて麓の店に買出しに行けば帰りに料金所、温泉に入り戻ればまた料金所。と、言った具合で、ウカウカ麓に下りることもできないのである。

T「何故、(中略)なんですか!」
S「元々、身内の小冊子用に書いた原稿やから、ちょっとHPには不向きな表現があったんや。今回、HP掲載記念ということで割愛いたしました。」
T「どこが記念なんですか?それにしても内容が気になるじゃないですか!中途半端に書かないでくださいよ!」
S「じゃあ、銭形平次とだけお伝えしておこう。」
T「余計中途半端ですよ!!」

 まあ、余談はさておき、今夜は早くテントを張り明日の作戦会議だ!(実際、ただ呑んでるだけですが…)

S「明日は早起きして、2つの林道の入口を確認し、ゲートが開いているようなら入ってみよう。題して『2つの林道入口確認大作戦』!」
T「そのままですよ!」
S「じゃあ、2つ作戦!」
T「それじゃ何だかわかりませんよ!」

    

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