■港町の老舗軌道を探れ!



 師走の和倉温泉駅は時折雪が混じる雨模様。悩んだ結果、雪道のリスクがあるレンタカーをやめて、のと鉄道で穴水まで行き、バスで現地を目指す事にした。バスが時刻表通りなら現地で約20分の滞在時間だ。果たしてどうなる事やら・・・。
 和倉温泉10:21発の穴水行きに乗り込む。穴水着が10:54。珠洲方面行きバスは11:34発。駅の待合室でストーブで暖をとりながらバスが来るのを待った。バスは定刻通りに駅前に姿を見せた。穴水の街中を抜けて進路を東へ向ける。目的地は宇出津だ。バスはのと鉄道能登線跡に沿いながら進む。途中、約3分の遅れで順調に宇出津に近づく。トンネルを抜けると突然、古い町並みが現れた。宇出津の街だ。目指す大橋與十郎商店もこの町並みの中にあるはずだ。
 宇出津駅の手前でバスを降りた。バス停から若干戻り、大橋商店を探す。歩いてひとつ手前のバス停まで戻った。目的地は確かにこのあたりのハズだが何か違和感を感じる。そう、昔風の町並みを良く見ると古い感じに見える建物の大半が新しく建替えられているのだ!気がつけば目の前に「大橋與十郎商店」の看板を出した建物が建っていた。「新しい・・・。」
 この大橋與十郎商店は古くから石油類や金物などを扱う老舗で、通りに面した商店の中を通って奥の土蔵までトロッコ軌道が通じていると言う事であったが、通りの再開発?(地震の被害か?)で店が建替えられてしまったらしい。建替えと共に軌道は撤去されてしまったのか?店の目の前が穴水方面行きのバス停だったので、帰りのバスの時刻を確認すると、残りの滞在時間は10分強であった。とりあえず店の裏手に回って見る。
 立派な土蔵が見える。軌道があるのは土蔵の反対側だ。土蔵が途切れた所で店の裏側を覗き込んで見ると上の写真の光景が目に入った。軌道は残っていた!しかし、店の建物の手前でレールは途切れ、蔵の前に残っているだけだ。台車も壁に立て掛けられた状態で、残念ながら既に使われていないのは明白だった。休日だったので店には誰も居なかったので詳しい話は聞けず、公道からの写真撮影だけで終わり、軌間すら計測できなかった。バスの時間ギリギリまで写真を撮り宇出津を後にした。

《データ》
■大橋與十郎商店 [廃線・保存] HP

◇石川県鳳珠郡能都町字宇出津新179◇穴水 バ60(能登田町)→歩すぐ
◇区間:店舗裏〜土蔵前◇距離:約0.02km◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明
◇01:大橋與十郎商店 FC(木製平台車)
◇02:大橋與十郎商店 FC(木製平台車)
 

[取材日2008.12.23]



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