■運河に延びる軌道を探れ!

 高岡駅前から地元射水市出身の落語家「立川志の輔」の軽妙な車内放送(土日限定らしい)を聞きながら万葉線の電車に揺られて約30分、有名な撮影ポイントである庄川橋を渡る手前に六渡寺駅がある。正式にはここ六渡寺までが高岡軌道線、ここから先が新湊港線という路線らしい(志の輔談)が、乗っていてその違いは分からない。(何となく路面電車から普通の電車に変わった感じがするくらいか?)
 電車を降りると、どっちが駅の出口だかハッキリしないが、とりあえず車の走る道路に向かう。横断歩道を渡った所に製材所らしき建物があり、その裏手にトロッコ軌道跡が残っているのだった。
 駅から出て通りを横切り真っ直ぐ進むと、伏木港と庄川をつなぐ短い運河があって、そこに架かる橋の手前を左折。徒歩で2、3分の距離である。

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 橋の手前を曲がるといきなり現れるのがこの軌道跡だ。製材所から道路を横切り運河の護岸まで単線の軌道が真っ直ぐ延びている。距離は10メートル強、運河から丸太を運び入れる目的で敷設されたようだ。軌間は610mmで規模から推定して動力は人力であろう。製材所は既に廃業していて人気がなく、扉も閉ざされていた。建物の周囲を観察してみたが、看板類は一切なく製材所の名前は分からず仕舞いであった。
   
 窓ガラスの部分から中を覗いて見ると木の切れ端などが散乱していたが、すぐ目の前には表の軌道とは違う所にレールがあった。これは多分丸太を切断するノコギリの台車のレールのようだ。

■六渡寺駅付近の製材所跡 [廃線]
◇富山県射水市庄西町1-19-40◇六渡寺 歩すぐ
◇残存区間:製材所付近◇距離:約0.01km◇軌間:610mm◇動力:不明◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 
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 最初の製材所から数十メートルの所にふたつ目の軌道がある。こちらも同じように製材所から道路を横切り運河の護岸まで延びているが、複線で護岸には大きなホイストがあり、若干、規模が大きい事を表している。製材所自体はまだ稼動しているが、軌道のレールは欠損している箇所が多く、軌道の廃止はこちらの方が早いのかも知れない。軌間は同じく610mm。製材所の建物は結構大きいが施設内の軌道がどうなっているのかは不明である。
 ここも製材所の名前が分からなかったが、帰宅後、国会図書館に行き住宅地図で調べ、更にタウンページでデータを揃えた。
  
■木材工業ベニヤ庄西工場 [廃線]
◇富山県射水市庄西町1-19-40◇六渡寺 歩すぐ
◇残存区間:製材所付近◇距離:約0.01km(複線)◇軌間:610mm◇動力:不明◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 
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 2軒目の木材工業から更に数十メートル。もうひとつ単線軌道がある。ここは護岸から延びた軌道が道路を横切ると製材所の広場になっていて軌道の末端まで確認できる。軌道はほぼ直線で30メートルくらいか?なぜか途中、捩れるように軌道が少しくねっている。レールの溝が土で埋まっていたり、レールの上に鉄板が敷かれていたりと廃線であることは明白である。周囲を見回してみたが残念ながら台車の類は見つからなかった。ここも示し合わせたように軌間は610mmであった。
  
■丸進製材 [廃線]
◇富山県射水市庄西町1-19-48◇六渡寺 歩すぐ
◇残存区間:製材所付近◇距離:約0.03km◇軌間:610mm◇動力:不明◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 
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 運河の対岸から見た軌道跡が残る製材所3軒。左端が名称不明の製材所跡。中央の建物と右のホイストが木材工業。一番右の木材が積まれている所が丸進製材である。残念ながら全て廃線であったが雰囲気は悪くない。
 新湊の市街地に近い中新湊にはトワイライトゾ〜ンで紹介された「高木勘七商店」もある。お時間のある方は是非途中下車してみて下さい。

[調査日:2008.12.21]




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