■東京にある奇跡の農場軌道を探れ!


 ここは本当に東京なのだろうか?広大な敷地の中に農作物や樹木が植えられ、一瞬、札幌の北海道大学や小岩井農場を思い出させる。田無駅から徒歩圏内にある東大農場はその名の通り東京大学農学部の実習、実験施設だ。東大農学部のトロッコといえば、秩父を思い浮かべるだろうが、ここの農場内にも小規模ながらトロッコのレールが敷かれている。現在は使用されていないが、転車台などもあり雰囲気は悪くない。このトロッコの詳細は不明だが、昔、農場内で飼育されていた家畜類の排泄物を堆肥舎まで運ぶ目的で敷設されたらしい事がHPに記載されている。施設の受付にいた方にトロッコについて尋ねてみたが同じような説明であった。
 写真正面の建物は「農場博物館」で農機具などが展示されている。訪問時は改装中で見学できなかったが、窓越しに中を覗いてみた。残念ながら車両は残っていないようだ。台車の1台でもあれば最高なのだが。線路の手前側が「堆肥舎」だったようで、現在は倉庫、休憩室として使用されている。こちらは昔ながらの古い木造の建物である。トロッコが使用されていた頃は恐らく農場博物館と堆肥舎の建物内までレールが延びていたと思われるが、現在は建物内のレールは撤去(または床のコンクリートの下か?)されてしまっている。残存部分は短いものの、お勧めの施設である。
 農場内には駐車場もあるので車での訪問も可能。正門から最徐行で車を進めると突当たりに駐車場がある。その奥の建物が受付で、入口の扉の横に見学者用の受付ノートが置いてあり、見学者はそれに住所と氏名を記帳する。構内には子供の見学者(走り回って遊んでいるだけだが・・・)や風景のスケッチしている人なども見られ、時間があればトロッコの見学後は構内を散策するのもいい。

《データ》
■東大農場 [廃線] http://www.fm.a.u-tokyo.ac.jp/spotlights/museum.html

◇東京都西東京市緑町1-1-1◇田無(北口) 歩10◇9:00-16:30・日曜日、祝祭日不可◇入場無料◇無料Pあり
◇農場博物館は10:15-14:45・火曜日,金曜日のみ公開
◇残存区間:構内◇残存距離:約0.03km◇軌間:620mm(実測値)◇動力:人力(推定)◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

[調査日2008.07.09]



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