■柴又の復元人車を探れ!

 柴又と言えば「寅さん」。そして切っても切れない柴又帝釈天。
 その帝釈天に行くには京成の柴又駅から参道をプラプラと歩くのが一般的だ。柴又駅に来る京成電車は立派な電車だが、京成電車が開通する以前の1899年〜1913年は金町〜柴又間を原始的な鉄道「帝釈人車軌道」が運行されていて多くの参拝客を輸送していた。その当時の人車を復元したものが、帝釈天から程近い「葛飾柴又寅さん記念館」に展示されている。
 記念館の入館料は500円。窓口で入館券を買って中へ。展示のメインは「寅さん」なので暫くは寅さん関連の展示が続くが、適当に流しながら進むとようやく人車の姿が現れた。
 時代背景から寅さんと人車は特に接点はないが、柴又の昔の様子を窺う郷土資料的な展示物となっている。
 人車は鉄道博物館に展示されているものに似た構造となっている。車体前後にある扉は開閉可能で、実際に乗車することも出来るのが嬉しい。木製のベンチ状になっている座席に座れば遥か昔の人車の乗り心地を感じられる。入場者のほとんどが寅さん目的なので直接寅さんと関係ない展示物は意外と滞留者が少ない。その為、車輛の写真撮影は容易にできた。
 また、展示物は復元人車だけでなく、帝釈人車軌道に関する資料も展示されている。地元だけあって写真、図面、資料など中々の内容で見ているだけでも楽しいが、中でもイチ推しなのは実際に動く人車の模型だ。スケールは良く判らないが10分の1程度だろうか。ボタンを押すと駅を出発し、終点の駅まで動く。歯車と連接棒の組み合わせで人車を押す押夫の足まで動くのが素晴らしい。終点に着いた人車は模型の背景にある江戸川の土手の中を通って始発駅に戻ってスタンバイ状態になる。実際の人車は複線だったそうだが、模型は単線エンドレスである。
 尚、展示されている復元人車は10人乗りがモデルになっている。軌間は610mm、車長約1.8m、幅約1.1m。内部、足回りなども精密に再現されているので、訪れた際は、是非時間を割いて細部にまで観察されたい。妻板上部にある車号?の「寅」はご愛嬌。


《データ》
■葛飾柴又寅さん記念館 [保存]

◇東京都葛飾区柴又6-22-19◇柴又 歩10◇9:00〜17:00・第3火曜日休館◇500円
 

《車輛データ》
◇01:葛飾寅さん記念館 PC(復元人車 610mm)

参考:ブログ軽探団2016.02.07 初春の東京下町を探る

[探索日:2016.02.07]




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