■学内の艇運搬軌道を探れ


 ある日、朝のNHKニュースをみていると、震災時などの緊急時に船舶のエンジンを発電機として活用し電気を供給するシステムを研究中という話題を放映していた。仕事に出る直前の慌しい時間であったが、生中継の足元に映った軌道は見逃さなかった。研究している施設は江東区の東京海洋大学だという。早速、後日探索することに…。
 東京駅から京葉線に乗り換え越中島で下車。階段をあがるとすぐにキャンパスがあった。門から入ると見学には特に許可はいらない?(ホンマかい!)感じ。入ってすぐ校内の案内板がある。流石に海洋大学だけあって最奥には明治丸(日本最古の帆付汽船・国際重要文化財指定だそうです)が保存されている。敷地の中央、隅田川に面した場所には係船池があって、何とそこには軌道らしき印が描かれていた。(ココだ!)軌道は係船池から艇庫と書かれた建物を貫通してひとつ裏の建物まで延びているように書かれている。早速、向かってみた。
 いかにも大学らしい建物が並ぶ間を抜けて係船池まで来ると軌道が目に入った!校内図の通り係船池から真っ直ぐに艇庫に延び、建屋を貫通してすぐ裏の建屋まで。防波堤の向こう側の係船池は安全確保の理由で立入禁止になってたが、防波堤の外では別の軌道が直角にクロスしている。クロスのすぐ横には艇の上げ下ろしに使うクレーンなどもあった。
 軌道は目測で約50メートル、軌間は975mm(実測値)であった。残念ながら探索時に艇を運搬する姿は見る事ができなかった。防波堤のクリアランスと艇庫の入口の大きさから、あまり大きな船の移動ではなさそうなので、動力は人力と思わるが、距離と軌道敷がコンクリートで平らになっているのを勘案するとフォーク系動力の可能性も否定はできない。
 意外な所にある軌道も、お手軽探索で見ることができる。皆さんも散歩がてら是非、探索してみて下さい。

《データ》
■東京海洋大学越中島キャンパス [現存]

◇東京都江東区越中島2-1-6◇越中島 歩すぐ
◇区間:艇庫〜係留場◇距離:約0.05km◇軌間:975mm(実測値)◇動力:人力◇敷設日:不明
 

[探索日:2011.11.16]




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