■謎の隙間軌道を探れ!

 京成立石駅周辺は旧赤線地域で今でもその雰囲気を色濃く残す。その為か?狭い路地が多く、車の進入を拒んでいるかのように大きな車は駅に近づけない。そんな京成立石駅で下車し改札口を抜け、階段を降りると怪しげな雰囲気が漂っている。それは街に足を踏み入れるとすぐに体感できる。
 狭い路地を歩き出してすぐ、定食屋と廃業してシャッターを下ろした怪しげな店(元居酒屋)の間の僅かな隙間に細いレールが顔を出している。(こんなところにトロッコが!!)道路から50センチくらいのところでシャッターで塞がれ奥が見えなくなっている事が怪しさを倍増させている。シャッターの向こう側は一体どうなっているのか?まさにトロッコ界の中でも軽探団向きの怪しさ大爆発の軌道だ!
 早速調査してみると、この軌道は大林酒場(看板には酒蔵大林と書かれている)、定食屋のものではなく、駅前の角を反対側に曲がった酒屋のもの
であることが判明。普通、店の横か中から奥へ延びるのが常識であるが、ここは店とは別方向の直角の向きで延びており、関係のないところへ顔を出しているのである。酒屋の名前は大林酒店。大林酒場とはどの様な関係なのかは定かではないが、すぐ裏手にある大林酒店倉庫(立石4-25-8)から大林酒場横(立石4-25-11)に至る軌道ということになる。(ホントに怪しいでしょ?)
 軌道の推定距離は約10メートル。軌間は420mm(実測値)で、ビールケース2個が載る大きさの木製平台車が1両あり、商品の出し入れの時だけシャッターが開くようになっている。商品の出し入れは不定期であるが、午後から夕方が比較的活躍する時間帯のようで、一見、廃線にも見える軌道はどうやら現役なのであった。
 尚、大林酒場(酒蔵大林)は居酒屋通では有名な店だったらしいが、平成17年頃に惜しくも廃業してしまった。

《データ》
■大林酒店 [現存]

◇東京都葛飾区立石4-25-8◇京成立石 歩すぐ
◇区間:敷地内倉庫横〜搬入口◇距離:約0.01km◇軌間:420mm(実測値)◇動力:人力◇敷設日:不明
 
《車輌データ》
◆01:大林酒店 FC(木製平台車 420mm)

[調査日:2010.12.20]




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