■突然出現!高架工事の謎軌道を探れ!




 2009年5月13日の事であった。いつものように通勤電車に揺られて京急蒲田駅南側の環八あたりの高架線工事の様子をぼんやり眺めていたら、コンクリート製の高架橋の上に京急の線路とは明らかに違う線路が大雑把に敷かれていた。一瞬の出来事であったが、軌道の長さは10m〜20m、軌間は1m程度、線路上に車両なし、木製枕木、北側の軌道末端に車止め…。これくらいの状況は把握できた。とにかく怪しげな軌道である。
 京急蒲田付近の高架工事といえば、当HPでも北斗工業の謎の線路を紹介したが、その他にもいくつか謎の軌道があって興味深いポイントであった。このところ、それらの軌道がなくなりつつあったので、突然の怪しい軌道の出現に嬉しくなった。
 軌道発見の翌々日の15日、車窓から様子を窺ってみると、軌道上には台車のようなものが置かれ、台車の上には金属製の橋の一部が載せられていた。どうやら環八のひとつ南側の道路を跨ぐ橋を架けるため、橋の本体か資材を送り出すための軌道のようであった。軌道の正体は何となく分かったが、場所が工事中の高架線上にあるため現場に接近することが出来ず、電車の車窓からしか見ることができない。仕方がないので電車が空いている日曜日に走行する電車から撮影することにした。現場は高架化された上り線に沿って敷設されていて、地上を走る下り線からは見ることができない。京急蒲田〜雑色間を2往復して4カット撮影し、比較的良く撮れたのを選んだ。空いている車内とは言え、周囲の客は「あいつ何撮ってんだ?」みたいな顔をしている。
 撮影のあと、一応、電車を降りて道路から現場を確認してみた。工事現場に掲げてある看板には「大林組・五洋建設JV」と記されていたが、軌道に関する標記はなかった。いつまで軌道が活躍するのかは全く不明であるが、しばらく楽しみである。

 ※5月21日現在、軌道の位置が若干環八寄りへ延伸ではなく移動しているようだ。最初に発見したときは環八のすぐ南側の道路の更に南側にあったが、徐々に北側へ移動し、環八のすぐ南側まで来ている。[追加補足:2009.05.21]

 ※5月24日、何と軌道が撤去され、外されたレールと枕木が高架上に並べられていました。僅か2週間足らずの軌道でした。[追加補足:2009.05.24]

 ※5月27日、外されたレール、枕木共々無くなりました。[追加補足:2009.05.27]

《データ》
■大林組・五洋建設JV京急高架工事 [現存]

◇東京都大田区蒲田本町2丁目◇京急蒲田 歩15
◇敷設区間:高架工事現場◇距離:約0.02km◇軌間:約1000mm(目測による推定)◇動力:不明◇敷設日:2009.05.12頃◇撤去日:2009.05.23頃
 

[調査日:2009.05.17]


 


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