■砂町の酒屋を探れ!

 鉄道模型誌「とれいん」で亀戸の「ヤマダヤ」が紹介された際、砂町にも…、という件から調査して発見されたのが「はりまや」であった。探し方は亀戸のヤマダヤの時と同じように、まずはネット検索で砂町の酒屋をリストアップから始めてみたが、次の段階でストリートビューでの確認作業を行った。しかし発見には至らず結局は現地に行く事に。またまたローラー作戦か…?
 一口に砂町と言っても範囲は広く、北砂、南砂、東砂だけでも南北、東西に数キロある。これに新砂を加えると眩暈がしそうな広さになった。しかも砂町中心部は細い路地が多数あって道路延長も相当な距離にありそうだ。これは無暗に歩くのではなく目星をつけて攻めた方が良さそうな気がした。
 現地探索の初めはリストアップした酒屋の確認から行った。そして駅からの往復は違う道を通りローラー作戦を併用する。一日中の探索だと疲れるので少しずつ時間をかけて探索することに決めた。そして何回目かで東砂へシフトしたところでようやく発見されたのであった。とは言え思っていたより早く発見できた。
 ここ「はりまや」はリストアップされていた酒屋で、ストリートビューでも確認したものの軌道は見えなかった。公道から見える軌道であるが通路が狭く見えなかったようだ。やはり探索の最終手段は現地探索に勝るものはない。
 最初の探索時、店は休みで公道から写真を撮って軌間を計測して終了。2回目は営業日で店主と少しお話する事が出来た。だいぶ前に使用を中止して、トロッコは残っていないという。使用をやめた理由は商いの規模が縮小しトロッコを使うほどでなくなったからとのこと。
 レールはL型アングル材の角を上にして、断面が△となっているので、トロッコの車輪は戸車タイプと推測される。その頂点間が実測値で340mmであった。軌道末端からシャッターまでの距離は10メートルくらいだろうか。
 まさに都会の死角に存在する怪しい廃軌道。残存するのも発見するのも奇跡的に思えて来た。


《データ》
■はりまや [廃線]

◇東京都江東区東砂6-7-2◇南砂町 歩15
◇残存区間:店舗横◇残存距離:約0.01km◇軌間:340mm◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

[探索日:2015.05.09]




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