■門の中の加藤君を探れ!


 トロッコの似合う機関車は数多くあれど、ナベトロの似合う機関車はやはり加藤のDLだと思う。国土交通省(旧建設省)系の工事事務所にはこの組み合わせの保存展示が多く見られ、現役当時の姿を知らない我々の世代でも加藤+ナベトロは自然に定着しているように感じる。そんないくつかある保存機の中から今回は船橋の加藤君を。
 総武線各駅停車の東船橋駅から徒歩で約10分、広大な敷地の船橋防災センターがある。以前は関東技術事務所と呼ばれ、レール等も保管されていたようだが、いつ頃か施設名が変わり施設の目的も変わったようである。
 建設省の加藤と言うと黄緑色(このページの背景色みたいな感じ)が多く見られるが、ここの加藤は黒い。これはオリジナルなのかどうかは判らないが、ナベトロと共に黒く塗られているのである。加藤君の横に簡単な説明板が設置してあり、これによると、この機関車は軌間610mmの7tで、昭和24年(1949年)に建設省関東地方建設局が購入し、昭和40年(1965年)頃まで小貝川、江戸川、利根川などの築堤の土運搬に使用されたことが記されている。機関車の前後には朝顔型の連結器を一回り大きくしたようなバンパーが着けられ、その下から連結用のフックがぶら下っている。ナベトロを”引っ張る”だけでなく”押す”作業も重要視されている事が見受けられる。また仲良く連結されているナベトロは車輪が大型で、フレームも角型。何となく頑丈で武骨な印象の形体である。
 お目当ての加藤君達は門を入ってすぐの所にある。見学には一応、許可が必要なのであろうが、門の近くには警備員など誰もいない。普通に施設内に入ることができますが、節度をもって見学しましょう。

《データ》
■国土交通省 船橋防災センター [保存]

◇千葉県船橋市東船橋5-2-1◇東船橋 歩10◇9:00-17:00・土曜日,日曜日閉鎖
 
《保存車両データ》
◇01:建設省関東地方建設局 TL579 DL(加藤製作所 1949年/B型 7t 610mm)
◇02:建設省 FC(ナベトロ 鋼製2軸 610mm)

◇参考:TF300p83(1985.06.15)・TF322・RF666p49(2005.02)など

[調査日:2010.10.16]




inserted by FC2 system