■最奥の煉瓦建造物を探れ!


軌間は左の2本で600mm、両端で1067mmです。


 総武線の西千葉駅から目的地に向かった。徒歩でも15分くらいの距離だが、タイミング良く\100バスが発車するところだったので飛び乗った。ゆっくりと住宅街を走ると約5分で目的地に到着した。この施設に潜むトロッコ跡を探るのが今回の目的だ。
 施設の名前は『千葉経済大学』である。ターゲットはキャンパスの最奥に建つ煉瓦建造物だ。果たして中に入ることができるのか?正門の前に立ち様子を窺うと(かなり怪しい)、守衛も誰もいない門は広く開けられていて開放的であった。「どうぞお入り下さい」と言わんばかりである。「それではお言葉に甘えて…」(誰も入っていいと言ってない!)
 このごく普通の近代的なキャンパスの建物の横を抜けると向うに煉瓦建造物が見えた。そこだけ異質さが漂っている。一見して古いものだとわかるその建物は現在、サークルの部室か物置に使用されているようだ。一体これは?…まあ、この道のプロ(どんなプロや!)ならこの施設の名前を聞いただけで答えがわかるハズだ。そう、トロッコ界で有名な「鉄道連隊」の遺構である。以前は国鉄レールセンターという施設として使用されていたが、その後敷地は千葉経済大学となって使用されている。
 鉄道連隊の詳細については他の文献をみていただくとして、ここでは解説しないが、この建造物は明治41年(1908年)築で鉄道第一連隊材料廠(陸軍兵器補給廠機関車組立工場などとも呼ばれている)として利用され、現在では千葉県指定有形文化財に登録されているという。
 この建物の側面から建物に対して直角に線路が4路線出ていた。長さはいずれも3メートル程度である。2路線は1067mmで残りの2路線は1067mmと600mmの2種の軌間になっているが、そのうちの1路線は3線式、もうひとつは4線式と形を変えて敷設してある。線路が残っているのはこの部分だけであった。周囲を一回りしてカメラにおさめた。
 すぐ横にはテニスコートがありテニス部が盛んに練習していて、ボールを打つ音がキャンパスの建物に反響している。またその近くでは軽音楽部が管楽器の練習…。学生時代を思い出す懐かしい音が聞こえる…。そう、ここは大学の敷地内なのである。見学するには当然ながら許可を得るべきである。だってテニスコートの横でカメラなんかぶら提げていたら怪しさ満点ですよ!正門入って左手の建物内に事務室があるようです。

《データ》
■千葉経済大学 [廃線]

◇千葉県千葉市稲毛区轟町3-59-5◇作草部 歩5・西千葉 歩15◇日中◇見学無料
◇残存距離:約0.003km×4線◇軌間:1067mm・600mm
◇国鉄千葉レールセンター→千葉経済大学
 

[調査日:2010.04.07]




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