■街の行き倒れロコを探れ


 昔の鉄道雑誌をめくると時折、放置された機関車の記事が載っていたりするが、そんな放置機関車を誰が名付けたのか?『行き倒れ機関車』という呼び方は真に言い得て妙だと思う。しかし現代の日本ではそんな光景もあまり見かけなくなったようだが、行き倒れ機関車になりそうな雰囲気を漂わせているのがご存知ステーキハウスペコペコの蒸気機関車だ。この機関車の存在は鉄道マニアには良く知られているところだが、台湾からやって来たカマとあってか?あまり紹介される機会が少ないような気がする。しかし元々は日本製だけあって違和感はない。
 放置してある場所はJR武蔵野線と東武が交差する南越谷駅から西南西へ約1km。国道4号線に沿った廃業したステーキ屋の駐車場の片隅である。車がひっきりなしに通る道路のすぐ横のこの空間は不思議な雰囲気を醸し出していた。
 遠目で見ると黒っぽいが近付くにつれ緑がかって見える。本来の色は不明だが保存当初は緑色だったようだ。このカマについて調査してみると東急車輛が台湾から購入したものであったが、その目的や東急車輛からここに来るまでの経緯はハッキリせず、1990年頃からここにあるらしいとのこと。
 かなり昔、姫路市新在家地区に放置された井笠の蒸気の写真が鉄道ファン誌(だったかな?)に掲載されていたのを思い出した。それは空き地だか畑だかにポツンと佇む行き倒れ機関車で強く印象に残ったものだった。ここの機関車もやがてそうなって行くのであろうか?現代社会では、それはそれで少し面白いかも知れない。同系の店で同じように保存された姉妹機のLKD57のような新天地があるのか?機関車の未来を案じながら探ってみたのだった。

《データ》
■ステーキハウスペコペコ越谷店 [放置]

◇埼玉県越谷市大間野町3-67-1◇南越谷 歩20◇屋外展示・終日可
 
◇01:台湾鉄路局 LDK56 SL(汽車会社 1919年/D型 762mm)
◇参考:RF485・RF555・全国保存鉄道2・全国軽便鉄道・全国蒸気機関車・RM108・RF666p49(1990.02)

[調査日:2009.07.03]




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