■幸手宿の老舗酒店を探れ!

 幸手は日光街道の古い宿場町である。旧街道沿いの宿場町は間口が狭く奥行きが長い商家が多く見られるが、ここ幸手宿もご多聞にもれずその様な商店が多く残っている。その中の一軒「永文商店」は明治期創業の古い酒店である。トロッコ界では有名な店で比較的マスメディアへの露出も多いので意外と一般でもご存知の方が多いかも知れない。
 ここを最初に探索したのは2008年。以後、数回探索しているが時が止まっているかのようで、いい意味で変化がない。街道から店舗横の通路を覗くと一筋の軌道が奥まで続き、いつも軌道の途中に台車が1台停まっている。永文商店ではごく当たり前でいつもの光景である。トロッコは今でも現役で、トラックで運ばれて来る商品を奥の蔵まで運ぶために稼働している。永文商店の創業は明治36年(1903年)でトロッコの使用開始は大正13年(1924年)とされている。時代によりトロッコの稼働状況に変化はあるかも知れないが、台車の上に酒のケースを載せて運ぶ姿は90年以上の間変わらないのである。
 軌道長さは50メートル以上、軌間は610mm。街角軌道にしてやや規模が大きい。いつまでも元気に動くトロッコの姿が残るといいなあ…、そう思いながら幸手宿を歩くのであった。

《データ》
■永文商店 [現存]

◇埼玉県幸手市中町1-7-27◇幸手 歩5
◇区間:店舗〜倉庫◇距離:0.0512km◇軌間:610mm◇動力:人力◇敷設日:1924年
 

《車輛データ》
◆01:永文商店 FC(平台車 610mm)

参考文献:トワイライトゾーン5

[探索日:2008.10.17]




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