■白く霞んだ鉱山


 R299正丸峠近くから名栗の方へ向かう。途中、山伏峠を越えると名郷の集落に出る。ここからキャンプ場を左手に見て、川沿いに坂道を登ると、やがて白く霞んだ武蔵白岩鉱山にぶつかる。
 ここには上部軌道と下部軌道の二つがあり、共に軌間762mmでBLを使用している。まず下部軌道だが、ここでは坑口からホッパーまでのわずか100メートルぐらいで、鉱石を運び出している。坑口の部分は単線で車庫を兼用した機械工場の屋根の下を通り、ホッパーの部分で複線になっている。
 BLは普段は8tの凸形のものを使用しているようだが、この日は見当たらずその代わりにL形の4tが車庫に置かれていた。キャブの後ろ側にはベルが付いていて何とも可愛らしい。連結器は自連で、キャブの外に付いているレバーで解放できるようになっている。鉱車はグランビーで8両固定になっている。

《データ》
■鋼管工業武蔵白岩鉱業所下部軌道 [現存]

◇埼玉県入間郡名栗村上名栗2160
◇区間:鉱山内◇距離:0.2km(坑外部)◇軌間:762mm◇動力:蓄電池◇敷設日:不明(1966年操業開始)
◇参考:RM005p63・知られざるナローたちp33(1980.07)・RM018BEST・トロッコp66-67,224・トワイライトゾーン13p206-209(1981.07.31)


[調査日:1988.10.30]



  


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