■小さな廃鉱を探れ!

 R140の秩父湖の手前を中津川へ向かって折れ、中津川の集落の手前をさらに右折、状態の悪い舗装道路を行くと、左手にあるのが日窒工業の資源開発事業部だ。
 ここはかつて日窒鉱山の大黒坑だったところで、坑口や、ホッパーの跡なども残っている。中へ入るとまずホッパーの跡を利用した倉庫があり、そこを通り抜け階段を登ると、軌道がある。軌道は508mmで坑口の部分は複線で右手に延びていて、詰所を経てホッパーへと続いている。ここがメインの坑口だったようだ。詰所の前には1tのバッテリーロコが止まっている。ほとんど使用されていないようでレールはかなり錆びついている。ホッパーの先はかなり草が茂っていて歩きにくいが山の斜面を削って軌道跡が続いている。数十メートル行った所に坑口があり今は水抜用のトンネルとして使用されているようだ。さらに先にも坑口がありこちらは水でだいぶ足場が悪くなっている。
 メインの坑口から真直ぐ向かっているレールは途中で途切れているが、神流川を渡った向こうには、コンクリート製のホッパーがあり、以前はそこまでレールが延びていたようだ。また左手には鉱山事務所があり、レールはその裏手の機械工場の中まで続いている。
 全体的に小じんまりとしていて、木製の建物などがほどよく配置されていて、ジオラマを作るには好適なところである。



《データ》
■日窒工業資源開発事業部(旧大黒坑跡) [現存]

◇秩父郡大滝村中津川420◇三峰口
◇区間:事業部内◇距離:0.1km(坑外部)◇動力:蓄電◇軌間:508mm◇敷設日:不明

《車輌データ》
◆01:日窒工業 資源開発事業部 BL(神鋼 12124番/B型 2t BE-2-B-508型 508mm)


[調査日:1988.10.30]



  


inserted by FC2 system